『アマの俗筋 三つの大罪』 依田
今になってようやく、この本のすばらしさが理解できるようになってきました(^^)。構成は、
「敵を強くする俗筋」、「ねらいをなくする俗筋」、「働きの悪い俗筋と愚形」、「俗筋の手直し問題集」の四章構成。
囲碁を打つ人にとって、「アキ三角」とか「陣笠」、「ケイマの突き出し」やなんかが「悪い形」であることは常識。但し、その常識は絶対的なものではなく、ときに緊急避難的に敢えて形として選択されることもあるんですよね。
私たちは。「う〜ん、アキ三角は愚形の見本とか言われているけれども、まあこの場合は良いか」と思って打つこともある。でも本当はそういう場合も単なる悪手であることがほとんど。囲碁雑考の方で頻繁に登場するコバピ(私の弟子)には「君の打つアキ三角が必然の手であることなんて1万回に1度もない」なんて指導しています(^^;。
本書は、悪形の悪形たる所以を丁寧に解説し、私レベルが「これは場合の手だ」なんて偉そうに言うことを完全に否定してくれます(笑)。
自らの経験で言うのですが、本書はあまり早い時期に読んでも「わかったふり」で終わってしまうかもしれません。「そろそろ有段者」と言われるようになってから読むことをお勧めします。本書の中で取り上げられている棋譜も、「アマ有段者同士の対局」という設定になっていることですし。
この本、結構強くなりますよ。
『三段合格の手筋 150 題』 囲碁文庫 日本棋院
いや〜、これ、『ひと目の手筋』をやり終えた直後なんかにやったらびっくりするだろうな(笑)。
結構難しいんです、この本。しかも第一章の「序、中盤に生じる手筋」が難しい。これを見たら怖くて三段なんかとは碁が打てなくなるでしょう。たとえば、
この問題が二問目。いや、こういう形式の手筋問題に慣れていればさほど違和感はないでしょう。でも『ひと目の手筋』をやったばかりの人がみたらびっくりしますよ、これ。何をどうすればいいのか全くとっかかりがない(苦笑)。
問題のヒントは以下。
置き碁でたまに生じる形です。黒1のボウシは右辺側を重視する攻め方。対する白2、4のツケノビはウソ手です。
しかしそれをとがめる手段を知らないと、白が堂々の進出になるので、きっちり白をいじめ困らせましょう。
【2分で初段】
どうですか? いったい何をやれば良いのかわかりますか(笑)? 回答は白4の二路下。その回答を知って「ああ、なるほど」と思える方は本書を読む資格があります(^^)。
この本、上に挙げた問題が2問目ということからもおわかりいただけるように、結構難しい問題が多いんですね。
でも実は。本書で一番難しいのは実は第一章。第二章は「石取りと攻め合いの手筋」、第三章「ヨセに関する手筋」なんですが、第一章と違ってやることが明白なので、問題もとっつきやすい。
たとえば。
これは【2分で二段】だけど、これなら二段なくてもノーヒント、ノータイム。第一章の問題とはずいぶん難易度に差があるんです。
本書、第一章は結構難しいと思うんですが、「へ〜」という気付きには使えます。第二章以降は普通の問題集として使えます。
一応「有段者〜」のカテゴリにて推薦させて頂きます(^^)。
『苑田勇一流基本戦略』
『苑田勇一の大模様はこうして勝て』(苑田勇一)
掲示板で教えていただいた本。一桁級あれば読んで面白いと感じるでしょうが、使いこなすのには相当の実力が必要です。残念ながら私には苑田氏の教えを応用する棋力がなく、本書を読んでしばらくスランプにはまりました(苦笑)。
苑田氏の基本理念は「生きた石のそばは小さい」ということ。これだけなら多くの人が言っていること。しかし。苑田氏はその理念を一歩進めて「石は生きた石からできるだけ遠い所に打つ」という独自の(?)理論を構築している。だが、「生きた石からできるだけ遠く」に打つためには、競り合いの際に「絶対に間違えない」実力が必要だし、また模様を打ち切るトータルな棋力も必要。
参考までに、多くの高段者が「苑田氏の本は面白い」と評しています。
『星の基本定石後の決め方』 大竹英雄
『小目の基本定石後の決め方』と並んで好著です。星の方が変化が少ないはずですが、定石後の変化については両者とも千差万別。こういう手をみんな考慮して打てるようになりたいものです…
『小目の基本定石後の決め方』 大竹英雄
これ、凄く良い本です。読んでみると、こういうことを知らずに碁を打っていたことが信じられなくなるほど。ただ、あまり早い時期に読むと、どこにでも手があるように見えてしまって手が縮こまってしまう可能性あり。ですから初段くらいになってから読むことをお勧めします。