現在発行されているのは増淵辰子七段の本をオリジナルに、増補改訂したもの。一応「中級者向け」の「碁スーパーブックス」シリーズの一冊。
囲碁をはじめた頃に購入して、何度か読んだ後、本棚に埋もれていました。最近どなたかのブログでこの本に触れていて、久しぶりに読み返した本。読み返してみて思ったこと。「この本、レベル高い〜」。この本に掲載されている図までもちゃんと理解できていれば「中級」なんてとんでもない。文句なく(日本棋院ランキングでは)有段ですね。前提とされている布石の知識なんかも結構広いし。オリジナルの発行が昭和48年と「ちょっと」(笑)昔なので、その当時の段級位を前提としているのかもしれません。
私もこの本から「言葉」を借りてよく使ってるんですが、読み返してみると全部の内容を理解してたなんてとても言えないな(笑)。
本書から借りた私のよく使う言葉は、たとえば「現在必然性のない手は、すべて悪手」。もちろんこれは自戒を込めて使うことが多いんですけどね。また「騙し手」みたいなものに関して「知って打つなら不純。知らずになら痴愚」。すごく迫力のある言葉でしょ。別の章でも「相手のウッカリを狙ったものだとしたら、品性を欠いた一手です」と。以来、私は「騙し手」に過敏気味なのかもしれない(笑)。さらに読まずに打ってみて一手負けになる攻め合いに関して「そんな攻め合いなら打たない方がまし」。うん、絶対に今の日本棋院段級位での中級向けじゃない(笑)。
読み返してみてとても面白かった。「有段者」を名乗る前に読んでおきたい一冊ですね(^^)。
ちなみに、本書にある「品性を欠いた一手」ってのは以下のような手。
これは私がよく遭遇する「間違ってくれ〜」とか「気付かないでくれ〜」なんていう情けない手よりちょっとレベルが高い^^。本当は18の二に継ぐところ。今16の三に打つ必要はなく、これが「相手が18の二に継いだと思って余所に回れば15の二に切ってしまえ!」と考えるのは「品性を欠いている」と。
私はこの程度なら「品性を欠いている」とまでは言いません^^。「ああ、一目得だと思ったんだろうけど、実は一目損なんだよね」とにんまりするかもしれない。正直に18の二と継いでおけば左からのハネを白は抑えられず、その後16の三も利く。しかし先に16の三に打てば相手にカケ継がれ、左からのハネに抑えられて一目損。
この手はちょっと高度(?)だけど、こういう「妙な手」が、プロからも「品性を欠いている」と思われる可能性があるのだなあと知っておくのは良いことだと思います。その分「本手を覚えたい」という気持ちが出てくるわけですからね。それは棋力の上達に繋がります。
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藤沢秀行先生の本。「囲碁の本」というよりも「棋士の本」。
とあるプロ棋士が言ってたことがありました。「君、藤沢先生に会いたければ競輪場に行けばいいんだよ」。そう言われる通り競輪の話も盛りだくさんです(^^)。
もちろん囲碁の話もたくさん出てきて、私の気に入ったのは「同じ負かされるのでも、悪い手に付き合って負かされるより、いい手に付き合って負かされる方が、上達は早くなる
」。
これは僭越ながら私も教室でよく言っている話で、逆に「シタテを上達させるためには上手(ジョウズ)に打たなければならない」と弟子たちに指導しています。
と。。。今は偉そうにそう指導していますが、実は逆のことをやっちゃったこともありました。私がまだ日本棋院認定で一桁級になるかならないかの頃。よくコバピを相手に置き碁を打っていました。当時の日記を見ると、「あんな碁はゴマカシだからあんなのに負けてもショックを受けないでね」なんて書いてある。当時は「ゴマカシ」じゃない置き碁なんて打てなかったんですよね… 今、コバピを強くしたいのはその頃にかけた迷惑の「責任」の意味もある(^^;。
あ、ちなみにコバピは最初に読んだ本は藤沢秀行先生の本だとのこと。偉そうだな>コバピ。尚、私が最初に読んだ囲碁系の本は幸田露伴。もっと偉そうじゃないか>俺(爆)。
藤沢秀行先生を知らない人は、この本をいきなりは読まない方がいいかもしれない。「変な人〜」なんてことで終わっちゃうかもしれないから(^^;。どれだけ偉大な人だったかなんていううわさ話でも聞いてから読むとより面白いんじゃないかと思いますね。
]]>『初段合格法 第1巻◆布石に強くなる』 石倉 昇
布石の本はすごくたくさんある。私は昔から「理論派」を標榜している(笑)ので、布石の本だけで何十冊もあります。
そんななか「今更初段でもねーだろ」と本書は昔読んでそのまま放置していたのですが…
このページに載せようかなと思って読み返してみたら好著でした(^^;。いや、この本、(弱い)二・三段まで役に立ちますよ。ある程度布石を覚えて、自分なりに布石の使い分けができるようになったくらいの時期にお勧めです。
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『アマの俗筋 三つの大罪』 依田
今になってようやく、この本のすばらしさが理解できるようになってきました(^^)。構成は、
「敵を強くする俗筋」、「ねらいをなくする俗筋」、「働きの悪い俗筋と愚形」、「俗筋の手直し問題集」の四章構成。
囲碁を打つ人にとって、「アキ三角」とか「陣笠」、「ケイマの突き出し」やなんかが「悪い形」であることは常識。但し、その常識は絶対的なものではなく、ときに緊急避難的に敢えて形として選択されることもあるんですよね。
私たちは。「う〜ん、アキ三角は愚形の見本とか言われているけれども、まあこの場合は良いか」と思って打つこともある。でも本当はそういう場合も単なる悪手であることがほとんど。囲碁雑考の方で頻繁に登場するコバピ(私の弟子)には「君の打つアキ三角が必然の手であることなんて1万回に1度もない」なんて指導しています(^^;。
本書は、悪形の悪形たる所以を丁寧に解説し、私レベルが「これは場合の手だ」なんて偉そうに言うことを完全に否定してくれます(笑)。
自らの経験で言うのですが、本書はあまり早い時期に読んでも「わかったふり」で終わってしまうかもしれません。「そろそろ有段者」と言われるようになってから読むことをお勧めします。本書の中で取り上げられている棋譜も、「アマ有段者同士の対局」という設定になっていることですし。
この本、結構強くなりますよ。
直前に紹介したのも手筋本でしたが、私がこのところ毎日持ち歩いているのは実はこれ。「初段・二段・三段」向けという位置づけです。
本書は先に紹介した『三段合格の手筋 150題』とは異なり、わりと「順を追って」いけば問題が解きやすいように編集されてます。
同じ問題に「1分で初段/3分で2級」という2つの判定基準が付いているのは、まあ「お遊び」以上の意味があるとはあまり思えないんだけど(^^;、自信を付けたり、あるいは努力目標にするのに良いのかもしれませんね。
目次を掲載しておくと、
1章 攻め合いの基本手筋35問
2章 攻め合いの有段手筋35問
3章 攻め合いの高段手筋20問
4章 腕だめしの手筋15問
という構成。そう、本書がとっかかりやすいのは「攻め合いの手筋」に終始しているからなんですね。人によって違うのかもしれませんが、「石の形」を求められる手筋問題よりも「攻め合い」の手筋問題の方が簡単だと思います。
「石の形」は絶対に必要な知識で、「石の効率」を考えていく上では絶対に必要なことですけれど、下手すると回答を見ても「なんでそれが良いのだろう?」なんて思わされることもありますね(^^;。
「簡単な問題を繰り返し解けと言われるが、級レベルの問題集はもう全部1秒で読めるようになっちゃった」なんて思ってる方。本書で「有段の手筋」の基礎を固めるのも良いでしょう(^^)。
]]>いや〜、これ、『ひと目の手筋』をやり終えた直後なんかにやったらびっくりするだろうな(笑)。
結構難しいんです、この本。しかも第一章の「序、中盤に生じる手筋」が難しい。これを見たら怖くて三段なんかとは碁が打てなくなるでしょう。たとえば、
この問題が二問目。いや、こういう形式の手筋問題に慣れていればさほど違和感はないでしょう。でも『ひと目の手筋』をやったばかりの人がみたらびっくりしますよ、これ。何をどうすればいいのか全くとっかかりがない(苦笑)。
問題のヒントは以下。
置き碁でたまに生じる形です。黒1のボウシは右辺側を重視する攻め方。対する白2、4のツケノビはウソ手です。
しかしそれをとがめる手段を知らないと、白が堂々の進出になるので、きっちり白をいじめ困らせましょう。
【2分で初段】
どうですか? いったい何をやれば良いのかわかりますか(笑)? 回答は白4の二路下。その回答を知って「ああ、なるほど」と思える方は本書を読む資格があります(^^)。
この本、上に挙げた問題が2問目ということからもおわかりいただけるように、結構難しい問題が多いんですね。
でも実は。本書で一番難しいのは実は第一章。第二章は「石取りと攻め合いの手筋」、第三章「ヨセに関する手筋」なんですが、第一章と違ってやることが明白なので、問題もとっつきやすい。
たとえば。
これは【2分で二段】だけど、これなら二段なくてもノーヒント、ノータイム。第一章の問題とはずいぶん難易度に差があるんです。
本書、第一章は結構難しいと思うんですが、「へ〜」という気付きには使えます。第二章以降は普通の問題集として使えます。
一応「有段者〜」のカテゴリにて推薦させて頂きます(^^)。
]]>うむむ。よくあるタイプの本だと思うんだけど…。おまけに私、この本を随分前に買って、一応通読しているはずなんだけど…
今(日本棋院「有段者の集い」で二段クラスになら負けないくらい)になって、ようやく本書に記載される全ての石の動きが伝わってきました(^^;。
内容はと言えば「強いところで戦え」、「カス石は逃げるな」、「根拠の要点は見逃すな」、「有利に戦う基本戦略」なんていう、それこそハッピー・マンデー教室で、私が弟子たちに偉そうに言っていることばかりなのに…
最近、わりと「中央の碁」を打つようになって、同じ棋力の人と打つときには「俺の碁ってなんて厚いんだろ〜」なんて思うようになって(笑)。それでようやく「戦い」ということがホントに理解できるようになったみたい。
とてもためになる本でした。
]]>本書、趙 治勲氏の 『ひと目の詰碁』より若干難しく感じる。 『ひと目の詰碁』をやってみた後にトライしてみるのが良いかも。
難しく感じる秘密は「ヨミ」が必要とされること。 『ひと目の詰碁』は「急所はここだ」という感覚で解くことができる問題を集めているが、本書は似たような形でもダメひとつで急所が変化することを示している。
私は詰碁の最初の問題集として本書に取り組み、そして挫折した記憶がある(^^;。「ちょっと自信のある人」にお勧めの本。
]]>碁の終盤戦の、地合を確定させる作業のことを「ヨセ」と言います。地味な作業であまりクリエイティブな感じがせず、「取り敢ず先手を取る」ことをマスターするとヨセの勉強はおしまいにしてしまいがち。
でも。シタテのうちはヨセで60目もヨセられてしまうこともあるくらいに大事な部分。
ヨセの本格的な勉強は初段くらいになってからで良いと思います。日本棋院有段者の集いで、ヨセの勉強を手抜いていた私より上手にヨセてくる初段はいない感じですし。
でも本書をぱらぱらめくってみて、「ヨセ」というジャンルの存在を念頭に置いておくのは良いことだと思います。
初段を名乗る今の私には簡単すぎる感じもしますが、読み返してみてそれなりに楽しめました。
]]>一桁級から初・二段程度になれば、プロの棋譜を並べることが上達に繋がります。が、そのくらいの実力のうちは着手の意味がなかなか分りづらいのも事実。
本書(本シリーズ)は、そのようなジレンマを解消するのに打って付け。ほぼ全ての着手に本人のコメントが付き、さらに変化の検討まで掲載されています。
多くの碁打ちはこのような本を待っていたはず。無味乾燥になることもある棋譜並べが非常に楽しいものとなること間違いなしです。
]]>『死活小事典』と同じシリーズ。「5級〜初段向」と記載されています。とは言っても別に内容が難しいわけじゃないので10級〜15級くらいの人が読んでも良いんじゃないかな。
ただ、このシリーズの特徴として、書いていることにメリハリがない(笑)。初級者のうちは読み始めても途中で飽きてしまうので「5級〜初段向」となっているのかもしれません(笑)。
]]>非常にハンディで有益な一冊。ただ、「事典」ですので読んで面白いものではないかもしれません(^^;。内容的には「〜10級程度」のうちに読む方が良いのかもしれませんが、私は10級くらいの時に本書を読み通す忍耐はありませんでした(^^;。
本書を完全にマスターすれば「高段者」であると、日本棋院が言っています(^^)。
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『依田ノート』 依田紀基
本書最初の方は、上掲の『序盤の打ちかた』と同じような説明があります。でも中盤以降はかなり本格的。碁盤を前にして読んだ方がいいですよ。
「天下初段シリーズ」の1冊ですが、ハッピー・マンデー級なら 10 級+くらいで読むと良いように思います。このクラスの人は、「隅」の攻防が一段落したときに、どこに打とうか悩んでしまいますが、その解決の一助として。「ヒラキ」「模様」「守備」「厚み」などのテーマ毎に問題が掲載されていて、自分の苦手分野の理解にも役立つでしょう。
ちなみに「初段」を名乗る私は、本書全問正解でした。
『苑田勇一流基本戦略』掲示板で教えていただいた本。一桁級あれば読んで面白いと感じるでしょうが、使いこなすのには相当の実力が必要です。残念ながら私には苑田氏の教えを応用する棋力がなく、本書を読んでしばらくスランプにはまりました(苦笑)。
苑田氏の基本理念は「生きた石のそばは小さい」ということ。これだけなら多くの人が言っていること。しかし。苑田氏はその理念を一歩進めて「石は生きた石からできるだけ遠い所に打つ」という独自の(?)理論を構築している。だが、「生きた石からできるだけ遠く」に打つためには、競り合いの際に「絶対に間違えない」実力が必要だし、また模様を打ち切るトータルな棋力も必要。
参考までに、多くの高段者が「苑田氏の本は面白い」と評しています。