結構気に入って観ていたドラマ「人間の証明」が終わった。
この人間の証明は 1976 年に単行本発行、1977 年に映画化。そして 1978 年には TBS でドラマ化。いずれもリアルタイムで観てきたんだけど、いずれもなかなかの佳作に仕上がっているんだよね。原作が相当面白かったということか。
このドラマの影響で「九子局」という詩を書いた。まぁ、囲碁のわかる人にしかわからないだろうけど…
母さん、ぼくのあの黒地どうしたでせうね?
ええ、対局開始の序盤に、九子置いてたっぷりに見えたあの黒地ですよ。
母さん、あれで負けるなんて考えもしませんでしたよ。
だけど、いきなり白が打ち込んでくるもんだから。
母さん、あのとき向こふから藤田という渾名のF先生が来ましたっけね。
慶應囲碁部でならしたといふ。
そして黒の勝ち筋がないかとずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどたうたうだめだった。
なにしろ完全に分断されて、それに封鎖までされていたんですもの。
母さん、ほんとにあの黒地どうなったでせう?
あのとき傍らで見ていた新入生は、どんどん強くなっていくんでせうね、
そして、三ヶ月毎に、教室には新人が入り、私を超えていくのかもしれませんよ。
母さん、いまの私の盤面は
まるで谷間に、静かに降り積もる霧のように白一色でせう。
最初は、つやつやと光っていた九個の石も
その後にぼくが打ったたくさんの黒石も、静かに寂しく。