2004年10月31日

読書ってのは…

囲碁ページの方でお世話になっている BUBI さんの記事に、「『読書』はいいこと?悪いこと?」というものがあった。

私は高校1年のときに「読書は悪いことだ」と断定し、1年間読書から離れたことがある。

なぜ「読書は悪いこと」と断定するに至ったか。それは私の読書習慣による。それまでの私は、だいたい年に 200 〜 300 冊の本を読むことを習慣にしてた。

中学生になると外部の模擬試験を受けたりしてたんだけど、模擬試験の国語に出てくる文章は、出典が書いてあれば必ず原本を買い求めて読んでいた(BUBI さんの記事に出てくる星新一のショートショートも模試で知った)。文学史なんかに出てくる本も、実際に自分で読んでみないと気が済まなかった。

模試に出てくる文章というのを「読んでいるのが常識」であると誤認し(笑)、「いったいいつになったら知らない文章が問題として掲載されることがなくなるのだろう」なんて恐怖感を持っていたりした(苦笑)。

いや、もちろん。だからと言って私の「読書」が「苦痛」であったなどということはない。一冊一冊との出会いは歓喜であり、模試で知らない文書が出てくるのも「まだまだ読むことのできる本が世の中にはあるんだ」という喜びであったことも事実。

だけど。

いくら時間のある若い頃ではあっても、そんな読書習慣を持っていると時間は足りなくなる。中学時代の私、大阪府でベスト8に入ろうかというスポーツクラブに属し、塾に通い、英語は聞ける限りのラジオ講座を聞くという生活をしてた。睡眠不足から体中の痙攣に見舞われ救急車で病院に運ばれたりした。

高校一年になって考えた。

「果たして俺の読書というのは、何かに対するエクスキューズになってはいないだろうか」。「読書を何か高邁なものだと言い訳し、他のことにかけるべき時間を少なくしてはいないだろうか」。

実は「英語」という教科も私にとっては娯楽だった。そして英語に関しては早々に自分に制限を課した。「他の教科を5時間勉強したら、ご褒美に1時間だけ英語を勉強しても良い」。まあこの制限には逃げ道を考え出したけどね(苦笑)。学校や予備校での授業で取ったノートを英訳し、「いや、俺は英語の勉強をしてるんじゃない。物理のノートを英語で書き直してるだけだから。物理の勉強をしてるんだよ」なんて。

でも読書にはそういう逃げ道を作ることはできなかった。「おまえ、本ばかり読んでると馬鹿になるぞ」。一所懸命自分に言い聞かせ、「しばらく読書はしない」と言い聞かせ、ほぼ1年「読書」から離れるのに成功した(^^)。

まあこういう私に対しては。「読書は悪い」云々じゃなくてもっと単純に批判することができるけどね。「過ぎたるは及ばざるがごとし」と(笑)。でも「過ぎる」くらいにやってこそ見えてくる境地みたいなのもあるしね(言い訳かな(笑))。

その1年の「読書離れ」。私は「読書」を悪いものだとして排除したんだけど、新たな境地をもたらしてくれもした。それは「あらゆる科目の問題を言葉の問題として解けるようになったこと」。数学も物理も、もちろん英語もみんな「言葉」の問題として、まるで本を読んだり文章を書いたりするような快感を感じつつ解けるようになった(^^;。

1年後に読書を解禁したときにはまた中毒症状にはまりそうになったけれど、でも1年のうちに知った、たとえば「数学を国語的に解く」快感なんかも忘れられず、結局バランスがとれていったのかな。

ところで。

これも BUBI さんの記事に書いてあったんだけど、読書と教養の話。私は読書によって得られる教養というのは確かにあるし、そしてそこで得た教養というのは、いろんな文化を理解するのに役立つことが多くあると思ってる。

例えば私、囲碁という文化をそれなりに理解するようになってきたけれど、私に読書という習慣がなければ、おそらく囲碁に出会うことはなかったはず。あるいは知り合いに照明デザイナなんて職種の人がいるけれど、その人とは『陰影礼賛』なんていう共通の知識があってこそ会話できるところもあったりする。

さらに教養ないし文化に触れるのに「読書」という手法は一番手軽であったりするしね。本を読むだけで一流の文化人の発言に触れられたりするのはものすごいことだと思う。

本を「高い」という人がたまにいます。「げ。2万円もするのか、この本!」なんて。でもたとえば私が2万円貰っても、その本の内容に見合う文章を書けたりはしないんですよね。「あらゆる本は安すぎるくらいに安い」。

まあしかし。金を払ったことを深く後悔する本がないわけではないことは認めます。そういう本に出会わないようにすることも、日頃の文化理解への努力でしょう(^^;。

投稿者 前田博明 : 2004年10月31日 10:00 | トラックバック
コメント

トラックバックありがとうございます^^
私のほかにも、読書を悪いことではないかと思ったことがある人がいるのを知ってなんだか嬉しい気分(笑)。
自分で書いといてなんですが、前田さんの書かれてるとおり、読書はたぶん「いいこと」なんだと思います。しかし「たぶんいいこと」ぐらいにしておく方が、世の中にとっては都合がいいのではないかと思ったりいたします^^
しかし、前田さんはすごいなぁ。読書量も半端じゃないし、英語が娯楽なんてうらやましー。
私の友達に「ドイツ語を聞くとリラックスできる」なんて人がいますが、違う国の言葉をそんなふうに楽しめたら、ステキだな♪

Posted by: BUBI : 2004年11月01日 00:42
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?