二・二六事件というのは、日本人にとってある種「ロマンス」だよね。いや、いろんな側面があることは当然のこと。だけど敢えて単純化して見るなら「ロマンス」だと思う。二・二六についてあまりにたくさんの本が出版されているのも、「二・二六=ロマンス説」を裏付けるものだと思う。
この二・二六事件については、松本清張が『二・二六事件』(全3巻)にまとめてる。個人的にはこれがとても面白かったな。あ、これは松本清張が書いているからと言っても推理小説とかじゃないですよ。
で、その二・二六事件を扱って、面白いミステリにしたのが恩田陸の『ねじの回転』。これはなかなか面白かったな。2002年発行の本なんだけど、これから恩田陸を読み始めた。知人が恩田陸のファンだってのもあるし。
でも恩田陸。ストーリー・テリングの能力は出色のモノがあるのに、物語の作り方がどうもいまひとつ。作者は「余韻」を残しているつもりなんだろうけど、それが単なる尻切れになることが多い。「青年期の不安感」なんかを「表現」するのはうまいんだけど、それを「ストーリー」にする能力に、正直欠けているように思う。
で、そんな恩田陸がついにやってくれたなと思った作品が『夏の名残の薔薇』。
佐野元春も歌詞に挿入するくらいに、僕たちの世代が大好きな「去年マリエンバートで」を下敷きにしてるんだけど、それだけでムカツク人も多いだろうな(笑)。
巻末にあとがきやインタビューがついてるんだけど、そんなものを読む気にもなれず、本編読了後即座に投げ捨てたくなる本でした。前作の『夜のピクニック』がわりと面白かったんで、期待してたのも悪かったか。
まあこうして、「切り捨てる」きっかけを与えてもらわないと、だらだらと、読まなくちゃと思う作家ばかりが増えて大変なんだけどね(^^;。そういう意味ではついにでた「グッジョブ」なのかもしれない。
投稿者 前田博明 : 2004年11月08日 13:10 | トラックバックいや〜読んでいて思わず笑ってしまいました。
私は恩田陸という作家さんは、新潮のファンタジーノベル大賞で、優秀作品に選ばれた「六番目の小夜子」という作品を読んでから、何気に新しい作品が出ると読んでみる作家さんになっていたんですが、読むといつも・・・
裏切られちゃうんですよね^^;
最初の切り口や、導入部は面白いのに、何故か読後感がよくない。
「なんじゃこりゃー」と何度思ったことか(笑)。
>作者は「余韻」を残しているつもりなんだろうけど、それが単なる尻切れになることが多い。
という点に、思わず共感してしまいました。