2004年11月13日

『ベースボール』 正岡子規

野球を熱心に語った文化人と言えば正岡子規。中学生くらいの頃、正岡子規の「ベースボール」をちらと眺めた記憶があります。その「ベースボール」が青空文庫に登録されたので、早速読んでみました(^^)。


ベースボールに至りてはこれを行う者極めて少くこれを知る人の区域も甚(はなは)だ狭(せま)かりしが近時第一高等学校と在横浜米人との間に仕合(マッチ)ありしより以来ベースボールという語ははしなく世人の耳に入りたり。

で始まる文章。正岡子規が初めて訳して、それがそのまま使われてる用語も多いって話ですよね。今改めて読み返すと、結構この文書だけで野球が理解できる(^^;。試合の勝敗の説明(勝敗の決め方も説明しないとわからないものだったんですね…)はなかなか秀逸。長くなるけど引用すると…

ベースボールの勝負 攻者(防禦者の敵)は一人ずつ本基(ホームベース)(い)より発して各基(ベース)(ろ、は、に)を通過し再び本基に帰るを務めとす、かくして帰りたる者を廻了(ホームイン)という。ベースボールの勝敗は九勝負終りたる後ち、各組廻了の数の総計を比較し多き方を勝とするなり。例えば「八に対する二十三の勝」というは乙組の廻了の数八甲組廻了の数二十三にして甲組の勝なりという意なり。されば競技者の任務を言えば攻者(こうしゃ)の地に立つ時はなるべく廻了の数を多からしめんとし、防者(ぼうしゃ)の地に立つ時はなるべく敵の廻了の数を少からしめんとするにあり。廻了というは正方形を一周することなれどもその間には第一基(ベース)第二基第三基等の関門あり各関門には番人(第一基は第一基人これを守る第二第三皆(みな)しかり)あるをもって容易に通過すること能(あた)わざる也(なり)。走者(ラナー)(通過しつつある者)ある事情のもとに通過の権利を失うを除外(アウト)という。(普通に殺されるという)審判官(アムパイア)除外と呼べば走者(または打者(ストライカー))は直(ただ)ちに線外に出(い)でて後方の控所(ひかえじょ)に入らざるべからず。除外三人に及べばその半勝負は終るなり。故に攻者は除外三人に及ばざる内に多く廻了(ホームイン)せんとし防者は廻了者を生ぜざる内に三人の除外者を生ぜしめんとす。除外三人に及べば防者代りて攻者となり攻者代りて防者となる。かくのごとくして再び除外三人を生ずればすなわち第一小勝負(インニング)終る。かれ攻(せ)めこれ防ぎおのおの防ぐ事九度、攻むる事九度に及びて全勝負(ゲーム)終る。

ね。なんか「おお、そうか」なんて思ってしまいそうになるでしょ(笑)。まあ現代に生きる私たちは「そうか」なんて思わなくても知ってるんだけどさ(^^;。

前に @nifty がまだ「NiftyServe」という名前だった頃、スポーツ系の「フォーラム」ってのをやってたことがあった。そこでしばしば話題になったんだけど、野球って、私たちの実感よりもはるかにルールの複雑な競技なんだよね。たいていの人は(私の好きな)ラグビーのルールが難しいって言うけれど、ラグビーは見慣れない人が見ると「何やってるかわかんない」っていうのが難しく感じる理由だったりする。

でも「ルールを知らない人に競技ルールを説明する」のなら、野球よりむしろラグビーの方が簡単だと思うんだよな。もちろん、日本ではラグビーなんてマイナースポーツだから、多くの人は野球により親しみを感じるのが普通だろうけどね(苦笑)。

まあそんなことはともかく。

こういう「歴史的」な文書を簡単に読めるなんて、毎度思うけど良い時代ですよね。できることなら学生時代に「インターネット」なんてもんが欲しかったですよ、ほんと(^^;。論文なんか書いたりするときには、自分の文章を書くよりも引用文を正確に引用することに気を遣ったりしたものねえ(印刷に回すときにはコピー文書を切り貼りしたりとか)。今の時代は Ctl-C、Ctl-V で済んじゃうんだものね(^^)。

ま、その分、「論文」のはずがいつの間にかコラージュ作品になってしまう危険性が高いとも言えるけどね(^^)。

投稿者 前田博明 : 2004年11月13日 01:22 | トラックバック
コメント

わかりやすいじゃないですか。正岡さんの訳。昔戦争の頃、アメリカ語を使用禁止って頃があったらしいとき、別にこれで十分楽しいゲームが出来たと思います。
単語ってある程度慣れじゃないですか。妙に英語にしないで日本語でずっとやっていてもおもしろかっったんじゃないかしら。どうせ大リーグとはやってる事が違うんだし(^^;)

で、内容はよくわかりましたが、やっぱりルールが難しすぎるわ.>野球.

Posted by: やまゆ : 2004年11月13日 16:58
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