ようやく、小林多喜二の代表作である『蟹工船』を青空文庫で読み終えた。あまりに有名な作品で、これまで何度も読もうと思っていたのに冒頭の文章がどうにもわかりにくく、これまで何度も挫折(^^;。
それにしてもこの人の文章はわかりにくいよね。
「俺(おい)らもう一文も無え。――糞(くそ)。こら」
そう云って、身体をずらして寄こした。そしてもう一人の漁夫の手を握って、自分の腰のところへ持って行った。袢天(はんてん)の下のコールテンのズボンのポケットに押しあてた。何か小さい箱らしかった。
一人は黙って、その漁夫の顔をみた。
「ヒヒヒヒ……」と笑って、「花札(はな)よ」と云った。
別に半端なところを抜き出してるわけじゃなくて、ひとまとまりを抜き出してるんだけど、この文章、未だになんのことやらわかんない。
各所にこういうわかんない文章が出てきて「うぅむ、何度読もうと思っても挫折したのも無理ないよな」と思った。で、面白いのは船員たちが不満を口にしてストライキに至る過程なんだけど、突然語り口が流暢になるんだよね。それまでわかりにくい文章を読み続けた身からすれば「おい、そりゃねーだろ」なんて(苦笑)。
日本におけるプロレタリア文学の嚆矢とされる作品ですが、この作品によって「プロレタリア文学」というものが薄っぺらくなっちゃったこともあるかもしれないよね。否、共産主義の理論書はたくさん読んだけど、「プロレタリア文学」ってのはあまり読んでませんけれども…
あ、そうそう。「蟹工船」で Google 検索をかけると、「蟹工船Tシャツ」ってのが見つかります(爆)。前に記事を書いた囲碁Tシャツは欲しいけれど、さすがにこの「蟹工船Tシャツ」は欲しくないよなぁ(^^;。
と、いうわけで。私はやっぱり筒井康隆の『蟹甲癬』の方が好きです < って比べるものかよ(笑)。
投稿者 前田博明 : 2004年12月03日 16:36 | トラックバック