2004年12月13日

急場はどこだ?

今日の講義は孔令文先生。休憩時間には、石田先生の NHK 杯解説の話でちょっと盛り上がっちゃった。「悔しい」から打った羽根棋聖の手については、「へ〜。珍しいですね。そういうところ辛抱できるのが羽根棋聖だと思うんですけど。ええ、ぼくなら絶対に辛抱できませんけどね」だって(^^)。

「プロの碁を見ていて」と令文先生。「ときにヒドイな、これと思う碁があるでしょう? でもやっぱりプロですから『ヒドイ』んじゃなくて『あっちの世界』に行っちゃってるんですよ。相手が長考して打ってくると、その長考に応えてこっちは読みを外したくなる。それでときに『そんなところ打ったら碁が壊れる』なんて笑われる手も打っちゃうんですよね」。

で、講義。今日の講義は「急場」というタイトル。む〜。問題1問間違えてしまいました(;_;)。ハッピー・マンデーの問題で間違えるということは、まだまだハッピー・マンデーに通い続けて大丈夫なんだぞ、と(^^)。ちなみにこれは生徒の実戦からの図。

久しぶりに間違えた次の一手
【 久しぶりに間違えた次の一手 】

答は S13。うん。そこが一番得してる。ただ私ごときが読まずにこの問題を見ると中央を囲うケイマが薄く見える。それに「これだけ囲っていれば勝ち」なんて気持ちもある。だから私の第一感は Q13。ま、勝負が細かければちゃんと読んで S13 に打つはずさと自分を慰めてみた(苦笑)。

「令文先生。先生に打ってもらってるとして、私が下がりで受けたらぜったい切ってどこかにツケてくるんじゃないですか(笑)?」と質問すれば「う〜ん、それは相手によりますね。前田さんが相手ならやるかも」だって(笑)。

ちなみにコバピ。この問題に正解して S13 を打ったんだけど、私が「これ、切られたらどうするの?」と言えば案の定ウケ間違えて黒地がなくなってしまった(笑)。

で、私の間違えた問題はさらりと流して(笑)、お気に入りの問題はこれ。

ふくらみの急所
【 白の生意気な手抜き 】

こういう図は良く出てくるんだよね。で、ハッピー・マンデーの生徒クラスだと、しばしば M17 に詰めるような手を打ったりする。コバピもよくそういう手を打っていて「あほかオマエはよぉ! いったい何を学んできたんだっ。これまで教わった先生みんなに謝れ! さあ謝れ、すぐに謝れっ!」なんて私に叱られたものだった(笑)。

答はもちろん D15(フクラミの急所)。ここを逃した白に対して「何やってんのアンタ」なんて思いながらノータイムでここに打てるようになれば一桁級なのかな。

尚、そんだけ叱られた経験を持つコバピはこの問題に当然正解。でも「ほんとにそこで良いんだなぁ」という私の声に怯えて「あ、D18 のハネツギが先ですか?」と。ふははははは>コバピ。君もまだまだだな(笑)。


授業の後は名門女子大生と八子局。「私何子置けば良いですか?」といつものように尋ねる彼女。「うん、そろそろ勝ちたいでしょうから八子にしましょうか」と。彼女も成長著しくて、そろそろ八子じゃ打つ気にならない感じなんだよね。女子大生との碁はこんな感じ。

名門女子大生との八子局

「ああ、やっぱりこの碁は負けるかな」と思ったのが黒6の鉄柱と、黒8のコスミ。いずれも白石を裂こうとする意図のある手で、私でもそう打ちたいところ。局後の検討のセリフを考えながら打っちゃったよ。「うん、ここで白を裂いたのが素晴らしかったですね」と。

ところが彼女。私も悪いんだろうけど(^^;、ちょっと白にビビリ過ぎ。白11に対する黒12が大緩着。ここで白は「打てるぞ」って気になって、黒24、白25の交換で「うん、これは勝っちゃうな」と。

黒12は、下辺左方を気にした手。でもなぁ。今は右下隅を戦っているところ。せっかく黒8で「白を裂きます!」と宣言したんだから、その宣言をきちんと守らなくちゃいけない。裂きに行って結局相手を繋がらせたんじゃあ、せっかくの好手だった黒8すら「何打ってるんだかわからない」手になっちゃうね。

で、黒は右辺の石もあっさり諦めて白25と取りきられてしまったんだけど、これも「石を裂きます」という宣言を放棄する手。ここをこんなふうに取られるなら黒6はない方がいい。

こういうところで「首尾一貫」して打てるようになれば相当に強くなるんだよ>女子大生。それに同じ負けるんでも「首尾一貫」して負ければ、自分の狙いのどこが悪かったのかがより強く印象に残ることになる。指導碁からはそうやって学ぶと良いよね。

あ、それからもちろん左下星をポン抜かせた手はむちゃくちゃ悪い(^^;。ここはまさにポンヌキ30目の手でした。

この女子大生の現在の棋力は、ここにしばしば書き込んでくれる BUBI さんくらいなのかな。BUBI さんは棋譜を一枚見たことがあるだけなんだけど。局後に女子大生が「お勧めの棋書がありますか?」と言うので『布石のベスポジ』を勧めておいた。大きさの判断や、白にある置き去りの傷に対する感覚がやや弱いようだったので。


帰り際にF先生とちょっと話をしてた。

「前田さん、いつもシタテと指導碁で良いんですか」。ちょっと口調がきつかったので、私は叱られてるのかなと動揺した(^^;。今日の碁を見て「げ、こいつシタテ打ちが癖になって弱くなってやがる」とか言われてるのかな、と(^^;。

「え、でも私そういうの結構好きで…」と口ごもりながら言い訳してると「もっと強くなりたいんだと思うときに、お手伝いできることがあったら言って下さいね」と。ああ、良かった。叱られたわけじゃないみたいだ(^^;。

でも私も。教室にいることで碁を続けたり「強くなりたい」というモチベーションを持つことができてるんで、間接的に教室が凄く役立ってるんですよ(^^)>F先生。一時入段コースの授業を見学したことがあって、そこでの講義は確かに私レベルにとっても役立つものだった。でも言ってみればそういう勉強は本でもできるんだよね。教室は「俺は何のために強くならなきゃいけないのか」を感じさせてくれる場なんです。ちょっと生意気な教室活用法ですけどね(^^;。

投稿者 前田博明 : 2004年12月13日 23:00 | トラックバック