へぼたろさんのサイトに、「だます手」という記事がありました。
へぼたろさんとはちょくちょく話しているんですが、私がすごく嫌いなのがウワテがシタテを騙す手。とくに四子以上で打つ指導碁的な碁で下らない騙し手を打つ人をみると、少なくとも私の弟子には「もうあの人と打つな」と対局禁止令を出します。
ウワテの言い訳としちゃあ「そういう単純なところでの間違いも減らさないとね」とかなんとかってのがあるけど、そんなのはそのシタテが互先とか二子局くらいの対局で勝手に学べばいいこと。
ウワテが敗勢になってから「そこを間違えば逆転だ」なんて考えて、本来アジも何もないところに置きにいったりする人は気持ち悪い。そういうのは「指導」とかなんとかじゃなくて、単にシタテをいじめて自分が勝ちたいという碁にしか見えない。そしてそういうところで「勝ちたい碁」を打っている人は、自分の筋も相手の筋もぼろぼろにして、そして結局そのコンビは全く成長しなくなる。
「単純なところでも間違えないで欲しいから」なんていうつまらない手をどうしても試したいなら、ウワテから清く投了してから検討すればいいんじゃないかな。シタテも検討の段階なら気持ちも落ち着いてしっかり応手するだろうし。
「前田さんの碁は無理手がないのに、なんで石置いてる方が負けちゃうんですか?」なんて、私の指導を受ける人間はそりゃ(少なくとも私の前では)私を贔屓してくれるので言ってくれます。なんで無理手がないのに勝っちゃうかと言えば、基本的には「石の効率が違うから」。相手が五目の手を打ったときに三十目の手を打つ。それだけで二子分のハンディを挽回してるんですよね。
私は互先でも相手の石を取るのは嫌いだけど、置かせ碁でも相手の石を取らず、石の効率だけで勝ちたいってのが第一目標。そうやって勝ってみせる方が、シタテから学ぶことは多いと信じてます。それで勝てないのならシタテのために石を減らしてあげる。指導碁を打つ人なら「次からは一子減らして下さい」とシタテに頼むことの気持ちよさってよくご存じでしょ(^^)?
「ウワテ」として碁を打つときには、自分の隣に自分の師匠筋が立ってみていても、それでも恥ずかしくない碁を打ちたいですよね。「効率で勝つ」ということを目標に打っていれば、シタテと打つ碁ではあってもすごく自身の勉強にもなるのです。
ちなみに。今だから明かす衝撃の事実(^^;。
実は、へぼたろさんがハッピー・マンデーに通い始めた頃、へぼたろさんにやられた子たちに言ってました。「うん、あの碁には負けてもそんなにショック受けなくていいよ。実力が違うんだから何子置いても負けちゃうかもしれないね」なんて言ってた(^^;。ごめんね>へぼたろさん。
でもしばらくしてへぼたろさんの指導碁を見てるとぜんぜん棋風が変わってる。ちゃんとシタテが碁を打てるように考えて打ってくれてた。その時もちゃんと生徒たちに言いましたよ、もちろん。「へぼたろさんも今や『指導碁』を打ってくれてる。ちょっと強引な手もないではないけど、それは君たちが叩きつぶせば良いんだからね。俺は石をなかなか取れないけれど、彼は結構石を取りに来るから、俺から学ぶのとは違うことが学べるはずだよ」って(^^;。
「あり得ないじゃん」ってところにいくら食指が動いても、ちゃんと「そこはあり得ませんから」と自省して打たずにいてくれてるへぼたろさん。これからもシタテたちのご指導をよろしくお願いします(^^)。