国会中継で押される棋聖戦第三局のテレビ中継。「ご覧のように対局室には誰もいません」なんていうお馬鹿な開始アナウンスを聞いて、「相撲のときは相撲、国会のときは国会に、ひたすら虐げられる囲碁ではあるよなあ」と思いつつ日本棋院へ。
今日はまたしても手空き気味になって、いつものようにうろうろしてたんだけど、そこにやはり遅れてやってきたN埜さん。「じゃ、打ちましょうか」と対局。最初は「逆九子」で次が「九子」。
「逆九子」ってのは、ウワテが九子のシタテに対して黒を持ち、さらに九子置く碁のこと(^^;。そんな碁で勝負にも何もなるわけがないんだけど、これを経験すると「石の強弱」ってのがすごく印象に残るんですよね。うまく行けばシタテは「ああ、私は九子も置かせて貰って、あんなに苦しむ必要はなかったんだな」なんてことに気付いてくれる。そしてその「逆九子」では、私の方は可能な限り手抜きを打って、早々に大きな地を囲ってしまう。「なんだ、九子ってのはそんなに簡単に勝てるのか!」と驚いてもらうのも目的(^^)。
この「逆九子」。N埜さんは結構耐えましたね〜(^^)。もちろん地合的には早々に勝負がついてるんだけど、「勝負所」を作って勝負してきたのはなかなか面白かったですよ(^^)。そういうふうに「勝負所」を作ってくれると、ウワテもモチベーションを切らさずに対応することができます。
で、九子局。こちらの九子はN埜さんが勝ってもおかしくない碁だったんだけど、私の「口撃」にやられてしまったみたいですみません(^^;。
N埜さんは序盤からずっとステディな打ち方で、いよいよ大ヨセかなって時までずっとその打ち方は変わらず。そういう打ち方は好感が持てるんだけど、ただ序盤に取られた大石を挽回するにはいたってないように思ったので聞いてみた。
「N埜さん、私はこの上辺の黒を取りきっているつもりなんですが、N埜さんもその認識ですか?」。
で、N埜さんは思った通りその大石が取られたとは思ってなかったみたい(^^;。最初にかかった隅で、一応「実利と厚み」で別れたはずだったんだけど、その碁の打ち回しで「実利とウスミ」の別れになってしまっていて、えらいアジ良く取らせてしまったんですよね〜。
ステディに打ち回していたN埜さんはそれから焦りまくってしまって、まだ細かかった碁を無理してしまってちょっと差がついてしまった。勝負がついてから黙って取り上げればN埜さんもびっくりしないで済んだかもしれないのにね(^^;。
尚コバピはマコピと七子局。先日あまりに素晴らしい終局図を作っていたんで興味を持ってその対局を見てた。
うん。なんか「宇宙流」みたいな感じ(^^;。「大模様」というのではなく、盤面全体に石をばらまいてから隙を見るって感じ。「形を決めるな」という私の指導に従っているみたいなんだけど、私もあそこまで形を決めずには怖くて打てない(^^;。もしかするとコバピは師匠の教えを聞いて、師匠を超えていったのかもしれない(笑)。
今後いろんな人と、いろんな種類の置かせ碁を打つようになってくればまた「スタイル」ができていくんだろうな。
ぐずみちゃんは、だいたい似たような棋力の人を相手に先番。この碁はちょっと苦しくしちゃったみたいだけど、最後に大逆転を狙える手があった。十手くらいの読みだったかな。グズミちゃんは分かっていてのことかどうかわかんないけど、そこに手を付ける。「おお、偉いぞ!」と思いつつ見てるとノータイムで次の手を打とうとする。「いや、グズミちゃん、そこは逆転の手筋があるところだからちゃんと読んで大事に打ちなよ!」と慌てる私(^^。
でもグズミちゃんは読まなくてもその逆転の手筋が見えてたみたい(^^;。打ち間違えることなく私の読んだとおりの手を打ってました。偉いね>グズミちゃん。でも大逆転の手なはずだった手は、なんかコウで騙されて価値が半分くらいになってしまったみたい。惜しかった〜。でもあの手を見つけてきちんと打ったんだから勝敗なんか関係ないね(^^)。
今日は他にも手空きの時に見て回ったり、N埜さんと打ってるときに通い始めたばかりの男の子と打ったりもした。
打った男の子もそうだったんだけど、やっぱり初心者のうちはツケとかキリを打ちたがるんですね(^^)。私は最初の三ヶ月にキリを打てなかった人間だから、逆のタイプの人の心理状態はよくわかんないんだけど、みんな切れるところはなんでも切ってくる(^^;。
「積極的な手ですけど、その手によって得してはいませんよねえ」なんて陰険に攻めていったんだけどさ(笑)。でもそういう時期の人に「切っちゃダメ」というのは学習のキッカケを奪うみたいで言いにくい。「こう打たれたときにどうするのかは読んでおかなくちゃいけませんね」なんてことは言ったんだけど、それによって怯えてしまいませんように。
あ、そうだ。帰り際には「コバピのライバル」の方が、「なんか私成長してないみたいなんで指導して下さいね〜」と言ってきて下さった(^^)。コバピがひっぱたかれつつも(ちょっとは)強くなったので興味を持って下さった様子(^^)。ふふ、君も役立ってくれてるじゃないか(^^)>コバピ。
「成長したい」と思ってる人に、ちょっとでもきっかけを掴んで貰えることができれば、それはとーっても幸せなことです(^^)。
投稿者 前田博明 : 2005年02月02日 23:00 | トラックバック