最近人に『布石のベスポジ』(春山勇・日本棋院)をお勧めしていたので、囲碁本棚から発掘して久しぶりに見てみました(^^)。
この本、17のテーマに分かれているんですよね。いくつか例を挙げると、「ヒラキの研究」「模様の天王山」「厚みの意識」「楔を打ち込む」「体制を整える」等。本書は「天下初段シリーズ」というシリーズの1冊なんですが、見直してみてもかなり面白い本ですよね。
たとえば「ヒラキの研究」なんかは、かなりの初心者でも読める。まあ20級くらいだと考えなしに四線での二間・三間開きを打ってしまって後で対応に苦慮することも多いんだけど、もうちょっと上手になってくると時期に応じた開きが打てるようになってくる。ないし、ウワテがいろんな開きを使い分けるのを眼にすることが多くなってくる。
で、もうちょっと強くなってくると、石の形はウワテとそんなに変わらないように見えるのに、いつの間にか大きく遅れを取るようになったりする。そんなときに「模様の天王山」の意識がとても大切に思えてくる。
さらにもうちょっとうまくなると、今度は「ヤキモチ」病を発症する人が多くて、「厚みなんざなんぼのもんじゃい」と、いかにも無理な戦いをしかけて、えらくひどい目数差で負けてしまったりする(^^;。相手の厚みに敬意を表しすぎて、今度はいかなる場合にも「楔を打ち込む」ことなんてできなくなったりもするしね。
この本は、全て全局問題で、ABCの選択肢なく「どこに打ちますか」という問題。「単に問題が羅列された本」と思っちゃうかもしれないんだけど、テーマを意識することによって、自分の中の「バランス感覚」ってのが養われる好著だと思います。
白紙の状態で本書に触れるのも良いし、また自分の弱点を意識しているのなら、最初に自分の得意とするテーマの問題と、苦手とするテーマの問題を集中的に解いてみるのも面白いかもしれません。得意とするテーマの中でも「それは行きすぎです」なんて解答を読むと自然とバランス感覚が養われ、そして苦手のテーマ問題も冷静に考えられるようになるかもしれませんよね。
さすがに私は本書の問題はほとんど間違えませんが、「ああ、良かった。バランスが崩れてるわけじゃなさそうだぞ」なんて確認用にも使えます(^^)。