「う〜ん、作り碁だからめんどっちいかもしれない」なんてひ弱なことを思いましたが(苦笑)、昨日の十段戦第五局を並べてみました。並べてみるとすごく並べやすい棋譜でしたよ。みなさんもお試しあれ(棋譜ダウンロード)
さて、この碁。白4まではよくある進行。でも上ツケを打ったことのない私は、なぜ黒5が上ツケなのかわからない。棋聖戦でも上ツケがありましたね。あれはなんとなく「そういうもんか」と思ったんだけど。
白6のツケ返しは、私が上ツケされたときに打ったことがあります。でも私が打つとなぜか(そりゃオマエがヘタだから>自分)ツケ返した方が悪くなるんですよねえ(爆)。
まあ右上は無難に分かれて、空き隅にも黒が先着したんだけど…。黒15はちょっと感動しました。右上の黒を「アツミ」だと見なしているんでしょう? 私には絶対にこうは打てないなあ。私は基本的にすごいびびりーなので、まさかQ12に打つことはないけれど、でも何らかの保険をかけたくなる。
黒19〜白22までの分かれは、昨日のハンサム高校生との対局でも似たような形が出てきた。その高校生は白22と打てずにN4と二間に開いて隅に嫌味を残してしまった。白20のコスミツケが「攻めます」の意図を持たないコスミツケである以上、ここはこの棋譜のように小ゲイマに控えておくところ。
白28のアテは、白32と調子で出て行くための手筋ですよね。一般に「アテはあまり打たない方が良い」と言われますが、こうやってアテて出て行く手筋の出現頻度は多いですよね〜。
黒、下辺のオシを決めるのはしょうがないところだと思うんですが、黒37まで押し続けたのはちょっとびっくり。まあここからはお互い手筋の応酬で白58までで一段落。十段戦の持ち時間は四時間ですが、趙治勲二十五世本因坊はここまででほぼ時間を使い切ってます^^。
ここから白70までは妥当な進行に思えるんですが、驚いたのが黒71。こうなれば白74のポンヌキまでの進行になるんでしょうが、黒はこれで果たして満足なんだろうか。白は攻められる石がなくなり、黒は右辺、右上ともに生きてない。ここで白大いに満足かと思ったのが低段者の私。まあそこから黒107までと進行して、黒も無事に生きたんですけどね。
で、白108。これは打っておかないとしょうがないのかなあ。白がここを打って黒が左辺に先着する流れになるんだけど、これを打たずに済めば、ないしなんとか黒に利かしておく手があれば、白優勢のまま進行したんじゃないかと思うんですが…。
白112から、白は地合で損をしましたが、右上隅から伸びている黒石が、再度生きていない状態になった。互角の分かれといったところでしょうか?
黒147を見た私は一瞬「これから左辺が勝負所になるのにヌルイじゃないか!」なんて思ってしまった。大馬鹿です。ここを打っておかないと本当に右上からの黒がヤバイ。右上からの黒を守りつつ、中央〜左辺に影響を与えるギリギリの好手ですよね。
黒165なども「そんなんで大丈夫なの?」と思った私。白が166と守った姿はいかにも白良しに見えるんだもの。この165〜167までを見て「十段防衛かあ」と思ってしまった私(笑)。
でもそんな私に「あんた弱いね」と思い知らせてくれたのが黒169。「右上生きてないのになにやってんだ!」な手にも見えるけど、ここから競り合っていくことで、黒165や167がすごく働いてくる。私なら絡まれて両方死ぬところだけど(爆)、しっかしこの辺一連もヨミキリなんでしょうねえ。恐ろしい。
白190からはヨセ。手筋はいっぱい出てくるけど、まあ「不思議」はないヨセをヨセきって二十五世本因坊の五目半勝ち。これで趙治勲十段になりました。もしかしたら「名誉名人」の称号を得る時まで現役タイトルホルダーだったりしたら凄いな。趙治勲二十五世本因坊名誉名人グランドスラマー十段(笑)。
本当に楽しませて頂いた碁でした。碁の勉強しといて良かった〜(^^)。