2005年06月30日

最近覚えた棋譜 〜 矢代先生の碁

矢代先生、女流本因坊戦準決勝を制すさて、高尾本因坊記念棋譜並べシリーズを継続中ですが(笑)、本日日本棋院のネット対局場で矢代先生の碁が中継されていました。対・鈴木歩三段の女流本因坊戦準決勝。せっかく近しい人(?)の最新棋譜が手に入ったのですから、早速並べてみました(棋譜ダウンロード)。

で、この対局。矢代先生目当てで並べているわけで、当然に矢代先生応援モードなわけですが、黒31までとなってあまり良い気持ちはしてません^^。いや、もちろん地合で遅れてるとかそんなことはないんですけど、上辺はぜんぜんはっきりしないし、右下もどちらかと言えば「借金」って感じ。さらに今進行中の左上にしても生きを強要されている感じで気持ち悪い。白32・34の手順に「おおっ!」と思ったモノの、結局はあまりに完璧な封鎖型。但し、下辺に攻められる石がでてこなければ、白を封鎖した黒の「壁」もさほど働くわけじゃなさそうなのが救いかな?

白46まで、右辺だけを見れば収まり形ですが、上辺がどう攻められる展開になるかが心配。そんな状況で黒は右下カケに先着…。私の互先の碁でこのような流れになればほぼ黒必敗な感じですがいかがでしょうか^^?

でもそんななか。ここの右下の打ち方で流れを作ったんだと思うんですよね。黒51までは「しょうがねえか」と思わせた流れだったんですけど、ここで白の選択はデギリ。

確かに、左下は「黒白ともに近づいちゃいけない形」だし、下辺でごちゃごちゃやれば、中央の黒壁が働いてきてしまう。だから下辺を打ち続けてはいけないという意識はあるものの、なかなかここでデギる決断ができない。尚、ここでぜひ矢代先生に聞いてみたいのが黒59の大長考。継ぐほかにアリエナイと思ってしまうところですが、鈴木三段はなんと持ち時間四時間の中、昼休みをはさんで 50 分の大長考。なんだか鈴木三段はぼやいていたそうですが、別に右下の分かれに不満があるようにも見えず、大長考の理由が 1mm もわかりません。

そんなこんなで先手を取った白。白68は「ゴツイ」ですよねえ^^。私などが打てばほぼ間違いなく大悪手になるところ。まあプロがこんなところを打ち続けるわけもなく白70はあっさりと方向転換。しかし黒71を迎えては地を広げられて、白68のアジもなにも残らないような展開。

次の白72は、弱い私が最も驚いた、ってか感心した手でした。右上の黒は、取り敢えず弱い石。上辺の白も弱いけど、右上に働きかけることで、黒の壁にヘバリツイタ白石が自動的に生きる。そんな感じがしますよね(白80まで)。でも一瞬「強い方」から動いて、自分の「弱い石」に相手を近付けてしまう気がしませんか。最初に「ちょっと怖いかな」と思ってしまうと、ヨミから外してしまう(いや、ヨミというか、「方向感覚」かな)欠点があります>私。

そういう意味で言えば右上・上辺で白は「うまくやった」のかもしれませんが、黒に冷静に81に回られてやっぱり勝てる気がしない。。。

でもここらの折衝から生じた黒91。これが両対局者ともに認める「緩着」だったそうです。黒91を見た白は92と中央のシノギ勝負に出て、見事シノギきったという碁でした。

それにしても95、105なんかも「ゴツク」見える感じですよね。そんなことないのかな。機会があれば矢代先生ご本人にこの棋譜をぶつけてみたいなあと思っているのでした(^^)。

ツケサガリ定石を考える

先ほど公開した高尾本因坊の棋譜。相手の長谷川広五段(当時)が打った左下隅の形。とある高段者にご指摘頂きました。「これは私はツケサガリ定石」と呼んでいましたよ、と。げげ。「ツケサガリ」定石。私、以前、女子高生Cに「君のはツケノビ定石じゃなく、ツケアガリ定石だな(笑)」なんてことを言ったことがありました。まさか本当に「ツケサガリ」定石なんてのがあるとは思わなかった…

ツケサガリ定石本当に、一般的に「ツケサガリ定石」と呼ぶのかどうかはともかく。私がイメージしているのは左図。黒5では一般に引くところを下がっている。

高段者曰く。「ああ、地に辛いんですよね」。げげ。高段者に問うてみた。「アナタの見た定石書にはツケサガリは載っていましたか。取り敢えず私の定石書には載っていなかったですよ」。「ああ、定石書には載っているでしょうね」と高段者。

「でもね」と私。「私の見た棋譜では、黒5と下がった後に手抜きが多いんですよ」。「へ〜、なるほど。黒が二線に下がっているので利かしと見るんですかね?」というのが高段者の弁。「白6に黒7となって、黒からはA・B見合いと見るんですね」と。

… えと、今図を見てみたらAは一路低い方かな^^。図を直すのが面倒だからこのまま放置 …

ふ〜む、なるほど。確かに地に辛い感じだな。

でも。ひとつ指摘しておきたい。この「定石」を選んだ後、私ゴトキには「どこが利き筋なのか」がよくわからねー(爆)。「定石を打ったんだから」と油断していると、あっさり隅を手にされてしまいそうな感じはあります。

高段者のいろんな説明を聞きつつ。以前私の家庭教師をしてくれていたユパさんが「利かしは可能な限り遠くから打つのが一般的に働いています」と説明してくれたことを思い出しました。

「高尾本因坊シリーズ」を並べ終えたら、また機会を見てツケサガリ定石を見てみたいと思います。

高尾本因坊記念棋譜並べシリーズ(1)

第二十五期新人王戦 高尾紳路 vs. 長谷川広さ。頑張って高尾本因坊の棋譜を並べてみましょう(^^)。ってわけで本日並べたのは第二十五期新人王戦3回戦。高尾紳路六段と長谷川広五段(段位はいずれも当時)の棋譜。高尾紳路六段の中押し勝ちです(棋譜ダウンロード)。

この碁、最初に並べたときは「白何もやってない?」と思ったんですが、並べ返すうち、白も「打ててる」感じだったのかなあと思うようになりました。実際のところどうなんでしょうね。

高尾紳路六段の黒番二連星で始まった本局。左下の白8はわりとよく見かけますよね。でも白8となったあと手抜きの棋譜が多くて、このサガリで何を狙ってるのか、どういうときに用いれば良いのか、私にはわかりません^^。

左上は黒21と三本這ってからデギリ。最近になって、ようやくこちらから求めての戦いの手も打つようになった私ですが、根が面倒くさがり屋。こういう手が打てないんですよねえ。そして地を取っているうちに中央の模様に驚かされるという(笑)。黒35までと分かれる手順も(当然の手順なんだけど)参考になりました。

白36に対する黒37がちょっと面白くはないですか。一般に「小さい」と言われる星からの小ゲイマ締まり。でも上辺も安定しているわけじゃないし、こんな相場なのかな。私もこの局面では黒37と打つんですが、いつもその手が気になって「小さかったのかなあ。本当はどう打つんだろうなあ」と悩んでしまうのです^^。尚、白、右辺での二間は黒の小ゲイマと調子を合わせた感じなんでしょうか?

局面ちょっと進めて黒49からのフリカワリ(?)は、黒大いにヨシと見えますがどうなんでしょうか。白も弱くてこう打つしかなかったところでしょうか。でも白先手を取っての白54のツメは大きそうですよね。ただ、白56という形になるのは、私は好きじゃないんです。この形を打って自分の碁が良くなった試しがないんですよね。それはもちろん私がヘタだからなんですが。

的はずれかもしれないんだけど黒57。ここ、白がツギで打てるなら黒はここに打ちたくないですよね。ここは当然白カカエになるんだけど、だからこそ打てる黒57。そんなことを考えて「へ〜」と思っていた手でした。

で、さきほどちらと触れた下辺の形。黒69の打ち込みが来てしまって、私だと「ほらね、やっぱりこの形は良いことないんだよ(;_;)」と辛くなるところ。まあ別に黒が大いに得するわけじゃないから良いのでしょうが、でも不愉快に思ってしまうんですよねえ。

そうそう、白86、88なんですけどね。私、全く読んでいませんけど、なんか手順前後に感じてしまう。白88と動き出す前に、白86で黒を強くしてるじゃないですか。ちゃんと読めば強くしたところが関係ないんだとか、その手順じゃなくちゃだめなんだってことになるんでしょうけど、ヨミを省略して打つことの多い(爆)私などだと、86、88の順番は逆になります。

黒107は私が「勝ちました」でよく使う手^^。あ、最近小目ばかり打ってるからあまり使えないんですが。中央の力関係で「黒が圧倒的に厚いでしょ?」という意味の手だったでしょうか。白はおそらく中央を打つ調子を求めつつ、地を頑張って打ったんですが(独断と偏見(笑))、黒149に回られて、もう継続することができませんでした。

機会があればまたプロの先生に本棋譜について教えてもらっておきますm(..)m。

2005年06月29日

十手メソッド 〜 効果的な指導法

以前、N埜さんに教えてもらった囲碁指導法を紹介しましょう(^^)。

彼もどこかの碁会所で教わってきたらしいのですが、その方法とは「十手メソッド」とでもいうようなもの(なんか名前があるのかな?)。用意するものは盤面二面と、碁盤を隠すことのできる大きさのハンカチ(これはなくても大丈夫)。

対局者はまず、最初の碁盤で普通に碁を打ち始めます。その際、碁笥から石を取るのではなく、予め十個石を取り出しておいて打つと良いでしょう。そして十手打ち終えたら最初の碁盤を隠し、もうひとつの碁盤の方に今打った十手を再現していく。再現する際に、ウワテの側は「この手は緩着でした」とか「白がこう打ったのはこういう狙いがあるからです」と説明を加えていく。そして十手並べることができれば、また最初の碁盤に戻り、また十手ずつ勧めていくのです。

「メソッド」の内容はこれだけ。この「メソッド」によって、

  • 対局中にウワテがシタテに対して指導ができる。
  • 十手毎に区切ることにより、覚えにくいシタテの手も完全に覚えることができ、局後に詳しく検討することができる。
  • シタテ側も僅か十手とはいえ、自分の手を覚えながら打つことで、「一手の意味」を考えるようになる。
  • 十手毎の検討により、ウワテの意図などを聞いて、シタテも「臨機応変」に打つことができるようになる。

この方法は確かに非常に有益だと思います。私もシタテ指導の際の「呟き碁」(ウワテの意図を一手一手解説しながら打つ)などを提唱していたんですが、「呟き碁」はときとして「雑談碁」に堕してしまい、シタテ側がいい加減に打つようになってしまうところがありました。しかしこの「十手メソッド」では、両対局者とも緊張感を保ったまま、かつシタテに「手の意味」を伝えることができます。

この「十手メソッド」を使う場合は、ウワテが十手毎に全ての意図を説明していくわけですから、普段より置き石を減らした方が良いんでしょうね。シタテを喜ばせたいならふだんより二子減らすくらいがちょうど良いのかな? あるいは「石の意図さえ分かれば互角に近く戦えるようになるのだ」という意味では先番で打ってもらっても良いのかもしれません。

お恥ずかしながら、私はまだ置かせ碁の棋譜を正確に覚えることができません^^。置き石を増やせば増やすほど、黒番の手を覚えてあげることができなくなってしまう。だから局後の検討もポイント解説だけになってしまっていて、「なんか良い方法はないもんかな」と思っていたんですよね。いちいち棋譜を残すのもちょっと大変だし。でもこの「十手メソッド」なら大丈夫。対局後の検討も自由自在だし、また、局後に棋譜を書いて説明を加えて相手にあげることもできるようになります。

N埜さん、「スゴイワザ」を教えて頂きありがとうございました(^^)。尚、このメソッドの提唱者や情報がありましたらお教えくださいm(..)m。

高尾本因坊、おめでとうございます。

高尾本因坊、おめでとうございます。ってか、今回の本因坊戦第三局、「囲碁打ち」のひとりとして観戦できたことをむちゃくちゃ嬉しく思っています。なんか気持ち悪いかもしれないけど「ありがとうございました」と言いたいシリーズでしたね(^^)。

最終局となった第五局。テレビ解説では王銘エン九段が放送開始と同時に「新本因坊誕生です」とおっしゃってました。確かにその時点では「白厚いかな?」と思ってたんだけど、だんだん細かくなっていく盤面。「やべー、王銘エン九段、山下棋聖と羽根挑戦者の第七戦のようにヤラカシタか?」なんて不安に思ったりもしました^^。

でも王銘エン九段のことをすごく「スゴイ!」と思ったこと。それは彼自身で目算しても黒(張栩)が良いわけですよ。張栩が数目勝ってる。しかし王銘エン九段は固執するんですよ。「でも私は白が厚いと思う。こう(黒勝ち)にはならないだろう」と。結局はその主張が正しくなったんですよね。王銘エン九段は、自分の数えた結果よりも、「でも黒が薄い!」という「感覚」で白勝ちを読み切っていた。

高尾紳路の三局目と、王銘エンの最終局での解説。これだけで「ああ、俺、碁を覚えていて良かったなあ」と、そういう気持ちにさせてもらえました。

尚、今回の本因坊戦第三局はいろんなところで大評判みたいです。私が「ニッポンの碁」だなと思った一局。何人かのプロも「あれが日本人らしい碁かもしれない」と言ってた。

私はこれから三十局、高尾本因坊の碁を並べましょう(^^)。そして私が学んだとおりの実戦進行を、自信を持ってシタテに教えられるようにしたいと思います。先輩達の築いた「棋理」が誤りでなかったことを、私も自信を持ってシタテに教えることができます(^^)。

2005年06月28日

久しぶりのハッピー・マンデー記事(^^)

昨日は今回のクールの最終日。高梨聖健八段の担当だったんですが、聖健先生ならば「棋譜勝負」(笑)。

なかなかね。正攻法では勝てないんですよ、棋譜勝負。なんか「こんな碁だけは絶対に覚えていまいっ!」とか覚えてもさらっと正解を言われてしまう。だから私が並べたのは「高尾紳路八段対某」の棋譜(棋譜ダウンロード)。自分でも「こんな棋譜を覚えて良いんだろうか」とちょっと反省しながら覚えた棋譜。

隠してもしょうがないんで書きますが、高尾紳路八段対アギラール(アマ)六段の富士通杯の棋譜なんですね^^。高梨先生じっと見つめ「これは難しいですね」。「プロの棋譜なんですよねえ?」。私「えと、白は高尾八段ですよ」と^^。さすがにこの棋譜は聖健先生も記憶になかったみたい。「黒、たいした潰れようですねえ」と(笑)。ま、今回の棋譜勝負は、若干反則気味だということで引き分け(爆)。

で、講義の後は久しぶりに理数系専門学校に通う元女子高生C(苦笑)。確か、彼女には指導碁モードで打って、九子局連敗中だったかな? 今回も九子ならば勝てばよしと思いつつ打ってたんだけど、なんか気付いたら結構な差で勝ってしまってた^^。

通りすがりに中盤を見た高梨先生。「おや、黒よく打ててるじゃないですか」。そう。彼女、さらに成長していろいろとキチンと読んで打つようになってる。「そうなんですよ」と笑顔で答える私に高梨先生曰く「何子ですか?」。「ん? 九子ですが」と答える私にがっかりの聖健先生。「ああ、そんなに置いているんですか…」。

彼女の成長は私はもちろん、先生方もたいへん嬉しく思っているので、九子くらいだったら私を徹底的にやっつけろと思ってるみたい(^^)。ま、私もそう思ってるんですけどね〜。

がっかりした局後の高梨先生。「前田さん、シタテ打ちがうますぎるんじゃないですか?」。げ〜ん、そりゃないよぉ、先生。先生も中盤を見て「黒がよく打ててる」って言ったじゃんか。白だって「ちゃんと」打ってたでしょ〜^^?

そろそろ棋歴三年が近づいてきてる私。まあ奥深い囲碁にあっては、三年ゴトキじゃあまだまだ成長期。私だってちょっとずつ強くなってるんですよ^^。

2005年06月26日

最近覚えた棋譜 〜 高尾紳路八段(2)

第四十三期十段戦敗者復活戦三回戦最近、高尾紳路八段の棋譜を結構並べています。以前、家庭教師のユパさんがいた頃「高尾紳路八段なんて面白いのでは?」と言われていくつか見てみたんだけど、あまり面白く感じられなかったんだよなあ(苦笑)。日々成長ということで。

今回並べたのは第四十三期十段戦の敗者復活戦。昨年11月に行われた高尾紳路八段と彦坂直人九段の対局(棋譜ダウンロード)。高尾八段は勝ち上がって、趙治勲十段と挑戦者決定戦を戦ったのは記憶に新しいところですね。

この棋譜。すごくヨセの勉強になりました。いや、こんな棋譜で「勉強になった」と言ってちゃあいけないのかもしれない。別に「テクニック」が用いられているわけではないので。でも、私たちレベル(ヨセのテクニックなんてほとんど知らない)でもヨセで数十目の差がでるわけで、それはすなわち「目の付け所」。

実はね。この棋譜を並べるとき最初ヨセがぜんぜん覚えられなかった^^。「ああ、もうヨセなんかどうでも良いか」と思ってた。でも「せっかくプロのヨセが手元にあるんだから覚えてみろよなあ」と、ちょっと時間をかけて覚えました。黒中押し勝ちになっていますが、もうほとんどヨセも終わりって感じ。なんかラクして150手完みたいな棋譜ばかり並べず、こういう棋譜もちゃんと並べないといけませんね^^。

ところでヨセの話の続き。今日のNHK杯でもヨセに関する話が出てましたよね。青葉さんが「ウワテに勝つにはヨセまでに20目くらい差をつけてないと厳しい」なんて話をして、レドモンド氏が「でもヨセは計算で答えのでるところですから…」と。

そう、それは確かにその通り。でも実際問題ウワテにヨセでは勝てない。私も同じレベルの人とくらべれば、ややヨセ好きで、ときに何十目も得してしまったりする(相手が弱いと言えばそれまでだけど)。また、指導碁なんかを打ってもらうときは、「ウワテが追いつけばそこで投了」ってのは、わりと広く認められた「シタテのマナー」みたいなもんだと思います。

高梨聖健八段もある日ヨセについて言ってたな。「指導碁打つとき、まあヨセで20目は得するだろうと思って打っているので、ヨセのうまいシタテだとうっかり負けてしまうことがあります」なんて^^。インケンを標榜するってか、みんなが認める(爆)私としては、いつか聖健先生にヨセで勝ってみたいものです(笑)。

2005年06月20日

最近覚えた棋譜 〜 高尾紳路八段

本日も行われている本因坊戦。第三局の高尾紳路八段にウルトラ感動した話はしました^^。で、ちょっといくつか高尾八段の碁を並べてみようかなと思い立ちました。

今日並べてみたのは第六回農心杯での対周鶴洋戦。やはり高尾八段の「厚い碁」のチカラが感じられる棋譜なんじゃないかなと思っていたり(^^)。面白い対局でした(棋譜ダウンロード)。






あ、書き忘れてましたが、この碁も白番(高尾八段)の向かい小目の棋譜でもありますね。以前コメント頂いた方が「白番二連星で打ってる」とおっしゃっていて、私も結構な確率で、白番二連星を打っています。その私の白番二連星では、掲載譜と同様黒5とカカリを打たれることが結構多いです。私はいつも白6に付けて「なんの不満もないよなあ」なんて思ってる。高尾八段も打っているということは、やっぱり何の不満もないに違いない(^^)。

ただ、私くらいの棋力だと、黒9を打たれることはあまりないですね。棋譜並べなんかをしてるとよく見る手順。まあ黒は注文を通し、白は厚くなって双方ともに不満ないってことなんでしょうね。

黒15の三間低バサミは面白いですね。ハサミというよりワリウチ感覚なんでしょうか。もちろん私は実戦でこんな手を打ったことはありません^^。でも右辺カケから行って、白20とヒラキ詰めに回り、そして右上及び右辺の白が痛まないのなら、白が良さそうに感じてしまいます(白52まで)。

でも、黒67が、私なんかの碁だとウィニングショットになってしまうのかもしれない^^。ここ、白は黒を絞りつつ中央に石を置きますが、「中央に出る」のではなく、本当に石を「置いた」だけみたいな形。私ならしのげず、あるいはしのいでも黒ヨシにしてしまうんだろうなあ…。

高尾八段はもちろん華麗にサバキ、白96までとなって、黒に対していろんな攻めを実現する手番が回りました。

この碁。失礼な話なんですけど「すごいなあ」と一番感心したのは白126。黒125に受けなくても良い可能性なんて、私ゴトキでは考えもしません。ここから終局図までは読み切りなんでしょうね。たかが30手ではあるけれど、利き筋やら変化の多いところ。私にはとうていこんな真似はできません(当たり前(爆))。やっぱりプロってのは変なスゴイ人たちですね(^^)。

2005年06月19日

初級者碁の面白さ(^^)

そんな手、誰に習ったんだ!?久しぶりに普通の(?)記事です。

いえね。弟子から棋譜が送られてきたんですよ。「私の碁を見て下さい」って。で、旧・小林流(弟子が黒)で始まった序盤。いきなりの右下乱闘にちょっとびっくりしました。手順がわかるように右下だけ拡大して掲載してますが、小林流の構えに8とカカリを打たれたところだから、「状況による変化」なんてのは考える必要ありません。

な、なんか凄いでしょ。「どこで習ったんだ、こんなの?」と問いかける私に弟子応えて曰く。「師匠に送ってもらった棋譜です」と^^。

言うまでもないけど、そんなわけないんだよね。だって小林流を打って、相手のカカリに「コスミツケ」なんて「スゴイ手」を打つわけがない。さらにコスミツケで立った頭にぴょこんとツケル手なんか見たことがない。

で、よくよく問いただせば弟子が参考にした棋譜ってのが右。

弟子がまねした私の棋譜右の図は私の白番。なんか相手の黒さんはコスミツケが大好きな人のようで、右辺は上下ともにコスミツケを打たれてる。右下はコスミツケからハサミに回ってツケで咎めたわけですよ。

「コスミツケが私くらいの棋力だとたいてい悪手ってのはいつも言ってる通り。で、コスミツケから挟まれたときは、一般にこうやって咎めるんだよね」というコメントを書いて弟子たちに送ってた。

盤面をみるとすぐに解るんだけど、私の棋譜の方は、コスミ付けられた側(白)が、相手のコスミツケを咎めるためにツケを打ってるんですよね。一方、弟子の盤面は、自分でコスミツケなんて悪手を打って、そして立った相手に対して意味不明のツケを打ってる^^。白の手と黒の手を混同して覚えてしまってるんですね^^。

事ほど左様に。初級の子たちってのはいろんなことを混同して覚えますよね(^^)。あ、初級者に限らないか。私もいろんな定石を混同してたりするもんな。

こういう混同を指摘されて、そしてなぜそんな混同をしてしまったのかなんてことを理解しつつ、一歩一歩強くなっていくんでしょうね。

いやそれにしても>この棋譜の弟子。混同するっていっても、ここまでハデな混同はなかなかしねーよな^^。「コバピル」才能があると見た(爆)。こういう素晴らしい発見があるので、シタテと打つのはやめられません^^。

2005年06月15日

最近覚えた棋譜 〜 坂田先生(2)

なんだか様子を探ると(?)、坂田栄男先生はあまりに偉大な先生であった様子。そんな方の負け碁だけ並べるというのも失礼かと思ったので、続けて坂田先生の碁を並べてみました。

ちょっとこの棋譜。出所かはっきりしません。本因坊十連覇のときの記念対局? 相手は星野紀七段(当時)。星野七段と言えば、最長手数(400手超)の碁とか、最長考慮時間(16時間?)とかで有名な(と、言うのも失礼か^^)方でしたよね(棋譜ダウンロード)。







まず、この碁を並べての(失礼な)感想。私は、今後当分坂田先生の碁を並べることはないでしょう^^。坂田先生が「シノギの坂田」と呼ばれているらしいことは知っていますが、「かくまでっ!」という感じ。私レベルのヘボが先生の碁を並べてしまっては、きっと碁が打てなくなってしまいます^^。

白10。レベルの低い話で恐縮ですが、こういう手を打てるようになると「定石知ってて良かった!」と思いますよね。まあもちろん上を継ぐ定石もあるんですが、下を継ぐ定石をしらないと(私の場合)絶対に上を継いでしまいます。そして「なんかちょっと損な気もするけどこんな相場か」と納得したに違いない。下を継いで実戦のように中央戦わなくちゃいけないのが、第一に面倒くさいし(爆)、第二に一手間違えれば崩壊してしまう。十九路盤は広いですから、小さなミスはいくらでも取り返しがききますが、崩壊してしまうようなミスはさすがに取り戻せない。

黒21まで(私の定石書とは違う流れだけど)、まあ相場って感じでしょうか。でもここで白22と打つものなんですかね? 白30とコウ(みたい)にして、それから白40までの一段落。私にはこういう面倒くさい碁が絶対に打てなそうだな^^。

そこから黒55までは「そんなもん」な流れだと思うんですが、白56とか、私が打てばはっ倒されそうな手じゃないですかね^^。指導碁を打って下さるプロの先生は、私がドチョンボな手を打つととても「悲しい目」をされます(苦笑)。その「悲しい目」を思い出してしまった…。

もちろん坂田先生が打っているわけで、そんな「悲しい目」をしなくちゃいけない手のわけがなく、白90までで「全部打った」感じ。しっかしそれでいてまた白92。「相手にウケさせて自分が苦しくなる」手は、私レベルの得意技(爆)ですが、この手も同類に見えてしまう^^。もちろんその後のヨミのレベルが全く異なるわけですが。。。96・98の決め方にしても「ホラーショーはもうやめて!」って感じ。

さらに続けて、黒107に、白108は「どでかっ!」って納得できるんですよ。でも黒109に、さらに白110と外からノゾクのが(これはまあその後を見れば納得しやすいですが)、またしても怖すぎ。「オマエに地はやらん」という、私たちが「そんな考え方に陥らないようにしよう」という心がけを、根本から覆してしまっているような感じがします。

結局白152までとなって「オマエに地はやらん」作戦(?)大成功。私のようなヨワゾウ君がこんな打ち方をすると、見るも無惨にやられることになるのでしょう^^。五段になったら(なるのか(笑)?)また機会を見て並べさせて頂きますm(..)m>坂田先生。

2005年06月14日

最近覚えた棋譜 〜 坂田先生

お恥ずかしい話しながら、私は坂田栄男先生のことを全く知りません。もちろん棋譜も並べたことがない。最近またよくお名前を聞くので、並べてみました。

最初、白が坂田先生だと思っていたんですが、黒番でしたね。失礼な話だけど、最初は負け碁から並べることになりました(棋譜ダウンロード)。







まず黒11まではよくある展開で、ちょっとした変化がここで白の二立四析。以前並べた二立四析とはちょっと違った展開です。

黒15は「大々斜ガケ」。私最近カケはたまに打つようになったんですが、大斜とか、大々斜とかほとんど打ったことがないはずです。定石を知らなければ、変化も知らない。そういう状態で打てば指運勝負になってしまいます^^。

実際も黒17までは定石変化なんですが、白18が変化。私の知る定石では隅の安定化の為、左辺の黒にコスミ付けることになっています。だから黒は相手の打たなかったところで当然の黒19、スベリ。この形になれば白20は当然ですが、黒21と抑えられるのが気持ち悪すぎ。左辺にもまだ隙があるし、こういう形にはしたくないのが弱い私。ただ、21と抑えさせてから白22とツケでサバキを求めるのが読み筋なんでしょうね。まあ一本道だけど、とにかく私には打てません。

で、黒25には白26を用意。「弱い上辺からの白石」と、「隙だらけの左辺」があってみれば、白26と、もうひとつの弱いグループを作る気にはなれないんだよなあ。黒27は「ちょうど良い」ツメ。白は当然に攻められて、白34が機敏な感じだけど、黒47までとなって、あまり得した気もしない。

ただ。黒49に白50となったのがちょっと面白い感じ。白50で「あっさり」しのげているのなら、これは白が得していそうな臭い。白は先手でここを切り上げて右辺に回ることができました。

左上隅。黒77は大きそうですが、白78と下辺にプレッシャーをかけた手も小さくない。その続きの手は黒95の取りなんだけど、黒95は私にはちょっと大きく見えない。白96からのコウ絡みの攻めで、白が勝利を勝ち取った碁でした。

2005年06月10日

第六十期本因坊戦第三局

自分がわりと「地の碁」を打っていながらなんですが、「薄い碁」には若干嫌悪感がある私です。私レベルでいると「薄い碁」の勝率が高かったりするんですが、ウワテから「厚い碁」でこてんぱんにやられると「格好良い!」と惚れそうになっちゃいますよね^^。

そんな私。これまで高尾紳路八段の碁にはあまり感心を持っていなかったんです。四天王とか言われてもいまひとつぱっとしなかったし(失礼)。でも今回の本因坊戦第三局。これははっきりと感動しました(^^)。

以前とあるプロの方が言っていたのです。「日本の碁は今、中韓の碁に押されている。でも日本の『考え方』が劣っているとは思わない。いつかまた日本の『考え方』を持つ強い棋士に出てきて欲しい」。

今や日本の囲碁界もすっかり「中韓スタイル」に席巻されている感じですが、今回の高尾紳路八段の碁はまさに「日本の考え方」を貫いた碁だったのではないでしょうか(棋譜ダウンロード)。






まず黒13まで。棋譜並べをする人なら誰もが見たことのある陣形で碁はスタート。最近は私レベルと互先で打つ人でもこういう碁を打ってくることがあります。

白14 〜 黒17もよく見るカタチ。ただ白18は、私が打って、あるプロ棋士に「ああ、昔はよくあったね」と言われたことがある。でも黒23は「ゴツイ」ですよね^^。いや、こう打ちたくなるかもしれないけれど、後の上辺の打ち方を自ら難しくしてる印象がありませんか。「立派な一着」なんでしょうけど、右辺・上辺双方を考えると、私が打てば絶対に得しない打ち方。黒25を見ると、黒は上辺の形にそれなりに自信を持っていそうではありますが。

白32を打たれた瞬間「え、そこでいいの?」と思わず声を出した私。黒33があまりにも当然で、右辺の白がちょっと心配だった。でもハザマがあってとくに問題はないみたいですね。ちゃんと読めよ>自分。

たぶん黒77で一日目打ち掛けでしたか? ぱっと見ると黒地が多い。ただ、黒はどうも薄い感じがするんですよね。「薄く見えるということは張栩ペースかもしれないが、白が勝ちそうな気がする。これは白が勝てば名局だぞ!」と、ヘボながら盛り上がっていました(笑)。

で、封じ手の白78はこの辺。ってか、ここだと思ったわけじゃないけど、当然になんかちょっかい出していきますよね。ちょっかい出すために厚く打ってるわけだから。でも白94までの分かれとなって、もしかして高尾八段に何か読み違いがあったかなと思ったりしたのも事実。

ただ黒97に白98となれば、どうも白が優勢っぽい。黒は五手もかけているところがガラガラになっちゃうわけだし、中央・左辺ともに攻められ残り。ヘタすると黒地は右下だけなんてことに成りかねない。

黒は隙を見て109に回ったり、必死の抵抗(そして張栩本因坊の「抵抗」は往々にして「攻撃」になるんですよね^^)を見せてはくれました。しかし最終的には高尾挑戦者の危なげない勝利。

「碁とはこう考えながら打つんだ」と、いろんな棋士に、あるいはいろんな本に学んで来ました。そしてこの碁はそういう「考え方」の勝利とも言えるんじゃないかと、ヨワッチー私は思うのです。いやあ、格好良かった。この碁を見ることができて、高尾八段に七番勝負の舞台に出てきて貰ったことを本当に嬉しく感じているのでした。

2005年06月02日

ある人が2時間悩んだ詰碁…








いや、白の応手も結構幅広いんだよな。三分で読み切れたらもっと強いかも。理詰めで詰碁を解く人(強い人^^)には易しい問題かもしれません。「>」ボタンを押す前に考えて下さい(^^)。

えっとごめんなさい。これ、九路盤だと失題になります。本当の問題は十九路盤。黒石の右には何にもないスペースがあるものとしてお考え下さいm(..)m。HUPさんにコメント頂いて気付いた間抜けではございますm(..)m。