先日、長い長い364手完の棋聖戦譜を並べました。別にそれとバランスを取ろうと思ったわけではないんだけど、日本棋院のネット対局場でちょっと話に出た最短手数の作り碁。武宮正樹九段と張栩当時七段の棋譜ってのを発見して並べてみました。
棋譜は「九星会」というところのサイトに掲載されています。2003年の名人戦挑戦者決定戦の碁だとのこと。2003年と言えばだいたい私が碁を打ち始めた頃。364手の棋聖戦も同じ年でした。最近のようでいて、張栩七段なんて表記を見るとえらい昔のような気もしますよね。
で、右図が終局図。 「アマチュアの初心者同士で打ったみたいな碁になっちゃったね」と武宮先生がおっしゃったそうですが、まさにそんな感じ^^。私は 364 手の棋聖戦をテレビで見て「ほ〜、プロというのはこういう碁を打つのか!」と刷り込まれた時期だったので、ともかくこの掲載図のような終局図にならないことばかりを考えて碁を打っていた感じがします(^^)。
ハッピー・マンデーでも、よくこういう図(もちろん細かいところは違いますよ^^)になって、「え〜、これで終局しているでしょうか」なんて質問をしてくる方がいらっしゃいます。F先生がお忙しいときなど、私が見たりするんですが、実は「終局ですか」って質問は結構ハイレベルなんですよね^^。
まず普通に手残りを探して、そしてアジワルな断点を探しますよね。これは普通。でも初心者同士の碁なわけですから、一カ所の少々のアジワルが大事件に発展することはある。だから目算をして、少々のアジワルが勝敗に影響するかどうかってのもチェックしてみるわけです。
負けている方には「負けていますが、もう手はないと考えていますか」とか、アジワルを突けば生き返りそうな石があれば「これは死にで合意なんですか?」等と尋ねてみたり。負けている方には「負けているのでもうちょっと頑張ってみたいですね」とか、勝っている側には「ここ切られるといやで、せっかく勝っているのだから守ってしまいたいですね」とか。
囲碁は、正しく終局判断ができるという基準で確か級が付いたと思うんですが、それが当然と思うくらいに終局判断は難しいですよねえ(^^)。日本棋院初段くらいとは打てるようになったコバピも、去年のペア碁で終局しているところに一手入れて勝ち碁を持碁負けにした実績を持ってるし(大笑)。あ、まあそういうことを言えば、私も2級を名乗っていた頃、小林覚先生に「あの碁はまだ終わってませんでしたよ」なんて指摘されたこともあったけど、それは忘却の彼方ということで^^。
右上に図を挙げたこの碁は結局張栩七段の8目半勝ち。
序盤白8から白18までの手順が勉強になるんですよね。武宮先生の碁ではよく出てくる手順。黒11のノゾキで一本アジを付けて、黒13で形を決めて。白も16で右辺に対するアジを無くして、アジを無くしたことのバランスを取るために18と三々に入る。
碁というのは全局のバランスなのだなあと強く感じ、棋譜並べを通じてこういうことが学べるようになった自分がちょっと嬉しかったり(^^)。
今年は私の弟子が「最弱初段」認定になったり(笑)、「馬鹿だけど初段」(爆)になったりしました^^。弟子たちもだんだんと「棋譜さえあれば何もいらない」と感じるくらいに楽しくなってくるんだろうな(^^)。