多くの人がご存じの Kogo's Joseki Dictionary という、かなり網羅的なオンライン布石辞書があります。なんとなく寂しく感じるのですが、これはもともと英語版として世にでたらしい。それを友人の薦めもあって、訳してみました。
実はこれ、結構なボリュームがありまして^^、訳したものの校正もしていない版ですので「β版」扱いでお願いします。酔っぱらいの時間に訳していた部分もありますし、また、オリジナルの英語版にも結構な間違いがあったもので、混乱したり、不注意になっている部分があると思います。お気づきの方は、ご教示願えれば幸いです。
また、オリジナル版では「黒8はおかしい」等の表記がありましたが、私の使っている MultiGo では変化図内の手順を一見して理解することができないため、「R14 はおかしい」等、座標表記に改めてあります。
さらにときに「訳注」というのを入れている部分がありますが、最初の頃はそれすら怠ったため、オリジナルに間違いがあっても「勝手に」修正している部分もあります。
さらに加えて。本データは MultiGo でのご利用を前提としております。文字コードは SJIS で記載されています。
β版でありますので、ネット上にてのデータの公開は(すくなくともしばらくの間は)控えて頂きたいと考えております。
ご利用の際は、以上の注意点にご留意下さい。
→ Kogo's Joseki Dictionary 日本語版β のダウンロード
以下余談。
本定石辞典を訳すにあたって、「訳したら自分の勉強になるに違いない」と考えて訳し始めました。しかし、データがあまりに多く、またそれらを全て「変化図」形式で記載しているデータ集の為、とても自分の「勉強」にする余裕はありませんでした^^。変化図のどこまでを見たのか、あるいは訳したのかもわからず、右往左往したり、あるいは翻訳中のデータにではなく、オリジナルの英語版に日本語を書き加えてパニックになったこともありました^^。
今は。日本語版の訳を一応は見直しておこうと考えているため、実際に利用する際には未だにオリジナルの英語版を利用し、自ら訳した定石集を使ってもいない状況です^^。
なんか相当情けない思いをしているので公開も躊躇った(と、言うか躊躇い中)のですが、渡した数人の方が「こいつぁ便利だっ!」とおっしゃって下さったので、一応公開しておくことにします。
しっかし、なんつぅか。60手も進めておいて「定石」とか言うなよなあ^^。少なくとも私はそんなに長い間「定石だ」と思いながら打つことはありません^^。
このように役立つデータ(オリジナル版 Kogo's Joseki Dictionary)をフリーで提出してくださった元著作者及び碁の諸先輩方に感謝申し上げますm(..)m。
日本棋院の誇るイケメン棋士(笑?)高梨聖健八段の棋譜認識能力の高さは以前記事に書いたことがありました。何度も彼に「この棋譜は知るまい!」と思って持っていっても、ほとんどの棋譜に「これはダレソレの棋譜でしょう?」と即答されてしまったことか。私などに身ひとつで聖健先生の真似をすることは無理ですが、moyogo.com から入手した4万局超の棋譜と、Kombilo のおかげで、パソコンさえあればいつでも聖健先生に勝るとも劣らない棋譜検索機能を発揮できるようになりました(^^)。
但し。Kombilo がいかに便利なツールでも、全ての作業を Kombilo でやるのが効率的かと言えばそうでもないかもしれません。たとえば私は、棋譜を覚える際に、自分なりの棋譜解説を付していって、それで着手理由などを自分なりに理解しながら棋譜を覚えていきます。このコメントを付す作業などは、やはり自分の使い慣れたエディタが便利ですよね。
Kombilo と連携して他の SGF エディタを使うには、2つの方法があります。
ひとつはクリップボードを経由する場合。Kombilo の SGF エディタに何か棋譜を読み込んでいる際に、「File」メニューから「Export SGF」を選べば、別ウィンドウに当該対局の SGF 譜が出力されます。
最近の SGF エディタの多くは、クリップボードから SGF 譜を読み込む機能を持っていますから、これでも十分便利に使うことができます。
もうひとつは、Kombilo に「外部エディタ」を設定しておく方法。これはやはり SGF エディタ上のメニューで設定します。「Options」メニューから、「Advanced」、さらにその中の「Alternative SGF viewer」を選びます。
私は、日本棋院のネット対局場の棋譜も読むことができ、また「Tutor Both Sides」のメニューで、棋譜を覚えるのにも便利なことから「MultiGo」という SGF エディタを愛用しています。
先ほどの「Alternative SGF viewer」を選ぶとダイアログが表示されるので、「Enter the command to launch SGF viewer」のところに「Program Files\MultiGo\MultiGo.exe」(パスは人によって異なるかもしれません)と入力し、「Enter the command line options, with %f for the file name」の部分に「(半角スペース)%f」と入力します。
これで、game list ウィンドウに表示された棋譜を、Shift + クリックすることで、自動的に MultiGo が起動し、見たい SGF ファイルも読み込まれます。
尚、やはり利用者の多いと思われる CGoban を利用する場合は、先ほどのダイアログの上の方に CGoban へのパスを記し、二行目には「-edit %f」と記しておけば良いと Kombilo のサイトに記載されていました。
ところで。moyogo.com から棋譜をダウンロードしたのは良いものの、新しい棋譜を入手した場合はどうすれば良いでしょうか。
私の場合は、日本棋院のネット対局場や Gobase から新着の棋譜を入手していますが、それらの棋譜も Kombilo の検索に反映させたいものです。もちろん、Kombilo 導入時に存在した棋譜は検索対象になっているのですが、Kombilo 導入後に加えた棋譜はどうしましょう?
その場合は、SGF エディタの「File」メニューから、導入時に選択した「Edit DB list」メニューを使います。表示される Edit database list ウィンドウの中で、SGF ファイルを加えた(あるいは削除した)フォルダを選択して、同ウィンドウ上にある「Reprocess DB」というボタンをクリックします。これで Kombilo のデータベースが更新されますから、新たに加えた棋譜も検索対象とされることになります。
ところで私は利用していないのですが、Kombilo には Guess Mode というモードがあります。これは MultiGo の Tutor Mode と同じものです(MultiGo の Tutor Mode に付いては昔の記事に記載してあります)。
Kombilo の SGF エディタに棋譜を読み込んだ状態で、Data window と名付けられたウィンドウ上の Enter / leave guess mode というボタン(上の図で赤く印を付けているところ)をクリックすると、MultiGo で言うところの Tutor Mode に入ります。このモードで SGF エディタ上をクリックすると、石の場所が正しければクリックした場所に石が表示され、間違っていると正解からどれだけ離れているかによって、大きさの異なる四角形が Data window に表示されます。そういう意味では Gobase に似ていると言えますね(Gobase を利用して棋譜を覚える方法についても昔の記事に書いてあります)。
他にも書こうと思っていることがあったはずなのですが、なんか Kombilo をいろいろいじっているうちに忘れてしまいました^^。まあここまでに記した操作ができれば、だいたい幸せな棋譜検索生活を送ることができるのではないでしょうか^^。棋譜を覚えるという作業はなかなか楽しいものですし、きっと強くなるのにも役立つことだと思います。
あ。でも「ほう、強くなるのかっ」とか言って、みんながお金払ってる教室にタダで力試しにやってくるなんてのはやめて下さいね(笑)。そういう行為は下品だと思いますし、私以外にも多くの人が「棋譜並べは役立つ」と言っていますから、わざわざ私で確認する必要もありません^^。
Moyogo.com から、4万局超の棋譜をダウンロードし、Kombilo を使って棋譜 DB も構築して、いよいよ検索するのみです。
閑話休題。棋譜検索をするときですが、たとえば自分で碁を打っていて、相手に思いもよらぬ手を打たれたとき。「そんな手はあるのかな」とか「どう応手したら良かったんだろう?」なんて思うことがあります。そういうときに Kombilo 検索がすごく便利。Moyogo.com からダウンロードした棋譜には大手合の棋譜なども大量に納められていますから、一風変わった(失礼^^)手なども検索できます。私程度の棋力では、なかなか「変化を読み切る」ということもできませんから、Kombilo 検索で「プロがこう打っているんだから、これでいーのだ」と、自分を納得させるのにすごく役立ちます(笑)。
あるいは古碁の本(例:『秀麗秀策』)などを見て、棋譜を勉強しようとしたとき、全部の棋譜を自分で打ち込むのは大変だというときにも役立ちます。最初の数手を Kombilo に入力して検索すれば、おそらくは目的の棋譜が見つかるでしょう。
さて、検索です。
Kombilo は、もちろん棋士名や日付などで検索することもできますが、一番便利なのはパターン検索でしょう。パターン検索は、SGF エディタ画面に知りたいパターンを入力することから始めます。
たとえば、左図のような局面を検索してみましょうか。黒の両小目で一方を締まられたとき、白の大ゲイマガカリの場合の継続手が知りたいなあと思ったときには、このようにパターンを指定してあげれば OK ですね。
えっと、画面のフォーマットを整えるために記す余談なのですが^^、私は左の場面になったときに、一間高等で右下の小目にカカルのはあまり好きじゃありません。「力」に自信のない私は、挟まれてトビトビの碁になるのを可能な限り避けているんですよね^^。プロの実戦では大ゲイマよりも一間高がはるかに多く、また黒も冷静にツケヒキで決めるのが多いみたいです。
参考までにこの大ゲイマガカリは石倉先生が NHK の講座で「簡明」として推奨していた手。まだまだ応用力のない私ですから、わかりやすく説明されたパターンは、そのまま盲信して拘ってしまう傾向があります^^。むろん盲信とは言っても石倉先生が悪いわけではなく(笑)、応用力のない私が悪いのです。言わずもがなですが為念。
もうちょっと文書がないとレイアウトが決まらないので、さらなる余談(爆)。ずっと前に高梨聖健八段に「相手が両小目で来て、一方をシマったらどう打つのですか」と尋ねたことがあります。聖健先生は「僕はシマらせないことが多いですね」とおっしゃってました。秀策風で打つことが多いのだそうです。
さて、レイアウト的に心配がなくなったので(笑)、いよいよ検索です。
Kombilo を起動すると、右図の game list ウィンドウも立ち上がっていると思います。
ウィンドウ上部には、DB 内に存在する棋譜が表示されています。下の方にはいろいろなボタンがありますが、まずは Pattern search と Game Info search のタブで、Pattern search が選択されていることを確認してください(起動時は Pattern search になっていると思います)。
次に、ウィンドウの左下にある「?」マークの入ったアイコンをクリックすると、SGF エディタ画面に入力したパターンに合致する棋譜が検索されて、ウィンドウ上部の game list に合致した棋譜のみが表示されるようになります。
Kombilo は、もちろん「部分検索」もできます。つまり今回の検索対象で、左辺の星が二連星の場合も小目の場合も双方検索したいという場合は、右辺の形のみを対象に検索することができます。「部分検索」を行うには、盤面で右クリック&ドラッグして検索範囲を指定すれば OK です。範囲指定をしない場合は「全体検索」(盤面全体を対象とした検索)になります。
game list 画面上部に表示されリストのいずれかをクリックすると、 Pattern search や Game info search タブの上にあるエリアに、対局情報が表示されます。ダブルクリックすると、SGF エディタにゲームが読み込まれます。
尚、SGF エディタ上では ctrl + クリックで配置した石を消去することができます。つまり、上の図を例に挙げると、「やっぱ大ゲイマガカリより一間高ガカリの方が格好良くネ?」と疑問に思った場合、SGF エディタ上で ctrl + クリックで大ゲイマガカリの石を消去し、次が自動的に黒番になってしまうので、どこかに黒石を置いてから再度 ctrl + クリックで消去。そして白を一間高ガカリの位置に置くことができます。
但し、一度検索したのちに配石を変えて検索するのであれば、game list ウィンドウの Reset game list ボタン(
)を予めクリックし、その後に Start pattern search ボタン(
)をクリックすることになります。
いかがでしょうか。個人的にはここまでできるだけで大満足。「生きた碁から碁を学びたい!」という要求には充分に応えてくれます。
ただ、ここにぜひとも記しておきたいのは Show continuations ボタン(
)です。このボタンは、その名の通り、検索パターン後にどのような手が打たれるのかを示すもので、SGF エディタ上には a、b、c … という記号が表示され、game list ウィンドウには、それらのうちからどこに打たれたことが多いのかをパーセンテージで示してくれるようになります。この機能を使うだけで、自分がずいぶん強くなったように思えてしまうこと間違いなし。まあなかなか思ったほどには強くなれないんですけどね(苦笑)。
あとは、検索して読み込んだ棋譜の SGF データを他のエディタ(MultiGo 等)に読み込ませたり、あるいは game list から自動でお気に入りの SGF エディタを起動できるようになると良いですね。
それはまた次の記事に掲載します。取り敢えずここまでの設定/操作の理解が完了すれば、「棋譜知識カルトQをしますか!」と勝負を挑んできた高梨聖健八段にも勝てるようになるかもしれません(パソコンがないとダメだけど)。
Kombilo は、普通のユーザの方はインストーラ付版をダウンロードすれば良いのかと思います(それ以外の方は私より知識をお持ちでしょう^^)。
インストールして起動すると、SGF エディタのような画面と、空のリスト画面などが表示されます。まず行うことは「棋譜データベースの構築」。とは言っても難しいことではなく、自分の PC 上で DB 化したい棋譜の在処を示してあげれば良いのです。ちなみに先に Moyogo.com からダウンロードした棋譜を DB 化する場合は、結構時間がかかります。失念しましたが 30 分ほどかかったかな。
DB の構築には Kombilo の碁盤画面の「File」メニューから「Edit DB List」を選びます。
「Add DB」ボタンをクリックして、先ほど Moyogo.com からダウンロードした棋譜を格納したフォルダを指定して、「OK」をクリックすれば DB 化が実行されます(注:SGF ファイル名は英語である必要があるかもしれません。少なくとも私の環境では日本語ファイル名では検索されないものがありました)。
これで DB 構築は終了(前述のように、結構時間がかかります)。尚、デフォルトでチェックされている「Recursively add subdir's」のオプションですが、これは言葉通りに解釈すれば「サブディレクトリについても DB 構築を行う」くらいの意味です。ただ、私の曖昧な記憶ではサブディレクトリのみでなく、ローカルディスク全てを検索してしまったような気がします(すみません、記憶が曖昧です)。
もし、指定したディレクトリ(フォルダ)以外の DB 化をしたくないのであれば、このオプションを外しておく方が良いでしょう。私はデフォルトのままで DB 構築をしました(これによって Itteyoshi 〜 thx to hebotaro 〜 内のフォルダも検索対象となり、自分の棋譜も検索結果で出てくるようになりました^^。但し、いったん DB 構築を行っても、どの DB を検索対象にするかは簡単に設定できるので、全ての SGF を DB 化しておくのが簡明かとは思います。
また、もしかすると DB 構築中にエラーメッセージが出るかも知れませんが、これはおそらく無視して大丈夫です。出てくるエラーメッセージの多くは「○○と××は同じ棋譜のようだ」とか、「○○は正しい SGF ファイルではない!」というようなメッセージですが、気にせず放置で大丈夫です。
尚、デフォルトの状態で DB 構築を行えば、SGF ファイルが存在するフォルダの中にデータベースファイルが作成されますが、下の SGF ファイルには何の変更も加えられません。オプションによっては SGF ファイルに CA タグがない場合に付け加えるということもできるようですが、私は全てデフォルトのままで DB 構築を行いました。詳細は Kombilo サイトで確認してください。
ここまでで、棋譜検索を行う準備作業は終了です。いよいよ Kombilo を利用して棋譜を検索することになりますが、それはまた別の記事で投稿します。
棋譜並べや棋譜探しがお好きな人は多いと思うのですが、以前から強くお勧めしていた Gobase.org の他にも、PC ローカルで使えるツールがあります。
その名は Kombilo。自分の PC 上にある SGF ファイルを対象に、Gobase で行ったようなパターン検索(例:中国流で小目に二間に低くウラガカリした場合は? 等)を行うことができます。
「自分の PC 上で棋譜が検索できるっつっても、そんなに棋譜を持ってねえよ」とおっしゃる方は moyogo.com から、無料でプロの棋譜を四万局程度ダウンロードできます。moyogo.com は本来、Moyo Go Studio という製品を案内するページだから棋譜だけダウンロードして Kombilo を利用するのに後ろめたさを感じたりはするんですが^^、作者の方はそういう使い方もあるとして、棋譜データのみの提供も行っていらっしゃるのでしょう。
無料の棋譜データが掲載されているページは http://www.moyogo.com/FreeProGames.htm。まずはここから 8.3 MB の棋譜データ(42,784局ということになっていますが、Kombilo でDBを構築すると、何局かは重複データである旨、指摘されたと記憶します。
ダウンロードした exe ファイルを実行すると棋譜データが展開されます。ちょっと昔のことで忘れてしまいましたが、この exe は、実行フォルダに棋譜を展開するようになっていたと記憶します。ですからデスクトップで実行してしまうと、デスクトップに 40,000 を超える棋譜が展開されてしまうことになりますから要注意^^。適当なフォルダを作成して、そこで exe を実行すれば間違いないでしょう。
40,000 超の棋譜を持っていれば、それはひとつひとつ眺めるというよりも、やはりパターン検索で利用したいところ。そこで Kombilo の出番となるわけですが、それは続きの記事に書きます。