( ;FF[1]GM[1] SZ[19]PB[どなたか]PW[わたし] RE[W+Resign]KM[6.50] ;B[pd] ;W[dp];B[pp];W[dc];B[fq]C[黒の立場で言うと、こっちにカカルの好きですよ。いきなりD15みたいな「相手の内側」で戦う必要もないと思うし。] ;W[ip]C[普通のウケが好きな私ですが、ちょっと左辺を低位におさえこまれてもつまらないのでハサミで行くことにしました。] ;B[fo];W[dn];B[dr];W[cq];B[ir]C[黒はまあこう打ってくることも多いんですが、白はここで手を抜けるのが嬉しいんですね。 ここに手を入れても一手でどうこうなるわけじゃないし。] ;W[qn];B[np];W[qq]C[一応 J4 の石を飲み込まれることも計算に入れます。J4を飲み込まれて、かつ隅も黒だとちょっと地合的に大変そう。 ですのでここはいきなりですが三々入りとしました。] ;B[qp];W[rp];B[pq];W[rq];B[qr];W[nc]C[右下隅の白は生きていますから当然手抜き。 この時点でまだ見えてきませんが「上辺の可能性」を考えてこちらからかかります。] ;B[kq]C[これは黒、やや志が低い。J4の石がよっぽど「おいしそう」に見えているんでしょうね。 黒からこのJ4を、いきなり「どでかく」取りに行く手はないはずですから、取り敢ずまだ放置。] ;W[pf];B[qf];W[qg];B[qe];W[pg];B[ob];W[nb];B[oc];W[nd];B[de] ;W[cg]C[開くのが正解かもしれない。 ただ、ここで上辺に向けて厚くさせても、白の壁があるので大きくならないという判断でこの定石を採用しました。 う〜ん。E16? F先生行き。] ;B[ef]C[相手は簡明にコスンできました。 この定石を覚えられないのなら(いや、この相手が覚えてないと言うわけじゃない)、ここをこうコスンでおくのもお勧め。 ここをコスむことによって、C15のワタリがなくなっているのです。] ;W[fd]C[定石は二間開きですが、右に白の壁がありますから、ここはケイマで打ってみました。] ;B[cc];W[cb];B[cd];W[eb];B[dh];W[ci]C[ここを一間で打つのも定石だと思います。場合によっちゃあC13なんか捨てても良いという態度。] ;B[ch];W[bh]C[いきなり割り込んでくるのならば、一度は受けておいてそんなに損はないでしょう。黒も眼形がないわけですし。] ;B[di];W[cj];B[dj];W[ck];B[hd]C[この黒が敗着でした。黒は中央に向けて厚くなってきていましたから、懸案のJ4を大きく取りきる算段をしても良かったかもしれません。 ここの打ち込み、確かに白地に与える影響は大きいのですが、ここで戦いがはじまることによって、中央の黒もまとまらなくなります。 強くなり始めると、相手の地をケスことに面白さを感じたりするのですが、やっぱり囲碁に重要なのは「バランス感覚」です。] ;W[ge]C[白、上辺も右辺も比較的強いわけです。 そういう中、黒にこのような狼藉をされた際に「地をくださいっ」と言ってしまってはいけません。地は「生じるもの」であり「作るもの」ではないんですね、基本的に。 とくに序盤に於いては相手の種石を分断しておくのが重要です。] ;B[kc]C[ほーら、あなたの地、なくなりましたよ。 黒はそう主張していますが「ああ、そこ私の地だと思ってたんですか?」と軽く受け流しましょう。 黒はここで収まろうとすることにより、中央にあった大きな可能性を放棄しているのです。逆に白は右辺から中央にかけて大きな地ができるかもしれませんよ。] ;W[gg]C[左辺の黒が収まっていないのでこういう手が利いてしまいます。この石は左辺の石にも、それから中央の石に対しても攻めとなっています。 序盤からこうやって絡まれる展開になっては碁は苦しいんですよね。] ;B[fh];W[gh];B[dg];W[cf];B[fi];W[jd]C[右辺も左辺も強い(強くした)んですから、ちょっと行ってみましょうか。 何度も言うように、私は攻めが嫌いです。ユパさんにもしょっちゅう「何のためにそこ強くしたんですか!」と叱られていたものです。 石を強くするというのは投資ですから、その投資は回収しなければいけません。私も右辺・左辺に投資しているわけですから、その投資を回収しなくちゃいけませんね。 ここを攻めることにより、まだ左辺への攻めが継続できるし、中央のデカ地構想が現実的なものになってくる。] ;B[jc];W[ic]C[取り敢ずシチョウ関係だけは読む。 K16 に切られて H17 のノビが成立しないのならこんな手は打っちゃぜったいダメ。 H17 のノビが成立するためには K15 のシチョウが成立しないこと。 また、シチョウが成立しなくても黒が伸びてきたときに戦えるかの読みも必要になります。それは実戦に出てきますからそこで。] ;B[id];W[hc];B[kd];W[je];B[ke];W[jf];B[kf]C[黒はシチョウが成立しませんからこう打ってくる可能性はありました。 その際やや嫌味となるのは K16 のグループ、J17 のグループ、あるいは O17 のグループのいずれを取られても白の構想は終わってしまうことです。 ここまで読んで、そして白はどの種石も取られないことは読んでおかなくちゃいけません。取り敢ず私の読みでは取られないはずでしたので、この図を選択しました。] ;W[mf]C[これは右辺の種石を守ると共に、黒に楽をさせないための手。さらに右辺を盛り上げる構想でもあります。 ここでこの手が打てることも読み筋。] ;B[gc]C[これも読みの中に入っていなくちゃいけませんね。] ;W[gb]C[下ハネ。 白は気持ち悪いんだけど、ぎりぎり凌げているはず(少なくとも私の読みでは)。 白がここをしのげているのであれば、上辺・左辺の攻防は白に利があるはずです。] ;B[jg];W[if] ;B[ig];W[hf];B[kg]C[私がJ17に切った時点で読んだのはここまで。十数手ですか?まあ黒がこの図を選択してくれれば一本道ですから大した読みじゃあありません。 この後は黒の打ち方にもよりますし、左辺大石の状況にもよりますので読んでいません。 ただ、これで右辺の盛り上がりはかなり現実的になったし、黒に弱い石が2つあるのは事実なので、これで白が打てるはずだと考えています。] ;W[hj];B[fk];W[mh];B[jj];W[lj]C[やや甘いかもしれないけれど、「耳の急所」に迫ることにより、黒に生きを強要します。黒もこれ以上ギリギリで打つのは疲れるので、そろそろ生きたくなってくるでしょう。] ;B[me];W[ne];B[lf];W[mg];B[md];W[lb];B[ib];W[hb];B[kb];W[lc] ;B[ja];W[ld];B[ii];W[hi];B[ki]C[黒は数手かけて「ごめんなさい。生きさせてください」と言ってきました。 ここまでシタテに出る相手をぶんなぐるのはこちらのリスクも高い(笑)。] ;W[om]C[「ま、君も生きて良かったじゃないか。私も見返りはもらったけどね。あっはっは」という感じ。 一応白の気持ちとしてはこの時点で20目程度の勝ちを見込んでいます。] ;B[ml];W[nk]C[ここはさすがに。 「一手で守れるところ」なので守っておきました。ここは守ってしまえば右辺打ち込みのアジなんかも消えてしまうので、すごく効率的な守りになるんです。 逆に黒は中央の隙を一手で守ることはできませんから、白の優位が確定したところでしょうか。 黒は打ち込みから読みたかったですね。] ;B[mk];W[mj];B[nl];W[ok];B[ol];W[pl];B[nn]C[白はしっかり守ることができました。 そして右辺の白地と接している右上の黒地。よく見るとあの黒地はまだ生きていませんね。 互いの接点であり、死活が絡んでいるところなら、そろそろヨセが利きそうです。] ;W[rg]C[右上隅も黒がたくさん手をかけているので、このくらいの大きさでまとめて貰うのはOKです。ですからここを先手で利かしておきます。] ;B[rf];W[oa]C[黒は今 S14 に守った所ですから、この手に手抜くのは相当な勇気がいるはず。と、いうか手抜けば死にがありそうですね。] ;B[pa];W[na];B[qb];W[fm]C[右上の小ヨセみたいなところを先に済ませて、そして「はっきりしてないこの辺、決めましょうか」という提案。 この時期になってもまだ J4 を助け出すことができるんですよね。下辺白が手抜いたのは大正解でしょ?] ;B[hn]C[おっと、ところが黒は非勢とみているのか、頑張ってきました。こう頑張ってくるとは予定していなかったなぁ。。。] ;W[gl]C[自分の読みに自信があって、でも相手が自分の読み筋にない手を打ってきたならば。。。 一応怒って見せることが大事です。それが囲碁における「一貫性」ですね。 「あの、恐れ入りますがあなたの左辺の大石、お亡くなりになってはいませんか?」。 あ、怒ってないか、これ。いやいや、私は陰険なので、丁寧な言葉に隠して左辺の石を取りに行ってるんです。まあまだ下辺白石の動き出しも見ているわけですが。] ;B[im]C[これはもう怒髪天を突いて怒るべきです。 「ざけんじゃねーばかやろー。なめてんじゃねーぞー。てめぇ、俺のウェブで見て俺が攻めが嫌いだっていうの知ってんだかしれねーけどよー。ここまでやられれば俺だって攻めるぜ!」。 でもね。ここで冷静に私は数え直しましたよ。 俄には信じがたいことだけど、下辺の黒を全部まとめさせてもまだ白が良い形勢なんですよね(笑)。 上辺の折衝で黒がどれだけ損をしたかということを示していますね。 それがわかって私はここからさらに小ヨセを打つことを考えたんですが… ですが、H6、J7 の連打はあまりに私を舐めているでしょう(笑)。やっぱり後々のためにもここは怒っておくところ。 左辺トリカケ実行です。] ;W[fg];B[eg];W[ce]C[このキカシはちょっとアジが悪い。攻めが嫌いな私はつい攻めになるとこういう手を打っちゃうんだよなぁ。] ;B[dd];W[bb];B[fl];W[em];B[dk];W[el];B[cl];W[dl];B[bi];W[bj] ;B[bg];W[ai];B[be];W[bf];B[bc];W[ae];B[ad];W[bd];B[gk];W[hk] ;B[be];W[af];B[hl];W[gm];B[gi]C[ここで H13 に継げないのならトリカケ大失敗どころか、一気に碁が負けそうになります。 ユパさんは、私にしばしば「一局のうちに一度くらいは読みましょうよ」なんて言ってました(笑)。 あはは。結構読むようになりましたよ、私。 中央の黒が「中央の曲がり四目」にならないかどうか。単純な読みですが、読んでから H12 と打つのと「しょーがねー」と気合いで打つのとでは気持ちよさが違います(笑)。] ;W[hh];B[ec];W[db];B[df]C[えこえこあざらく、えこえこざめらく。白、うっかりしろ〜っ! という意図の手ですが、まあ私に黒魔術は通用しませんでした。] ;W[ag]C[ここで黒投了。なかなか良い投げっぷりじゃないですかね、このクラスとしては。まあここで投げるなら最後の手はいらねーだろというのもありますけれども。 この碁は、他のいくつかの棋譜シリーズのように「弱石を作ることの悪」を示していますけれども、より感じて欲しいのは上辺での白の受け方。 白は地になりそうなところに打ち込まれましたが「え〜、ここは白地なのに!」という受け方はしませんでした。「ああ、あなたここに入ってくるんですか。でも得しますか?」と相手に優しく問い返してる(笑)。 その受け方と、あとその上辺の折衝時および左辺トリカケの際に行なった「読み」ですね。「読み」は慣れないとなかなか実行できないんだけど、勝負所での「読み」が、どれだけ碁を楽にするのかを感じて頂ければと思いました。 あとはまあ上辺が地にならなくても、その見返りで右辺が馬鹿でかくなりますよという構想力。そしてその構想のツイデに生まれた右上へのヨセのタイミング? そういうことを抑えて碁を打てば、「攻める力」とか「すごい手筋」なんてものは必要なく碁に勝つことができるのです。] )