2004年03月20日

定石とは? (2)

先日、棋院の「有段者の集い」で対戦した初段の方。


**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**

18├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤18
17├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤17
16├┼┼4┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼1┼┼┤16
15├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤15
14├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤14
13├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤13
12├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤12
11├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤11
10├┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┤10
09├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤09
08├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
07├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤07
06├┼15┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤06
05├┼┼10┼16┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤05
04├┼92┼┼┼┼6・┼┼┼┼┼・┼┼┤04
03├┼78145┼┼┼┼┼┼┼┼┼3┼┼┤03
02├┼131112┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘01
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**

上のような序盤戦となった。黒1・3・5のコンビネーションは、私が最近好んで打つ・小林流(笑)。白6で C6 に受ける人も多いが、挟んでくる人も多い。

挟まれた際、黒は「トンで受ける」、「三々にフリカワル」、「両ガカリにする」の選択を迫られている。私の場合は基本的に周囲の状況がよっぽどよくなければ飛ぶことはない(最近「周囲の状況」に求める厳格さが減った。つまりトビもわりと打つようになった)。また「両ガカリ」は変化に自信がないので滅多に打たない(実は変化の余地はさほどないかということで最近これまたあちこちで試してみている)。

よって私の場合、「挟まれれば三々フリカワリ」が絶対の一手。

で、フリカワルことに決めれば黒 15 までは一本道。ほとんど変化の余地はない。一般的に白はここで手を抜いて大場に回ることになる。あるいは私のレベルだと白は E7 にケイマし、黒に何かウケさせることもある。

しかるに。対戦相手の打った手は白16。これには相当な違和感を感じる。

ケイマすれば左辺の黒に多少なりとも響き、また左辺のノビ争いで一歩先に出る意味がある。しかし実戦の白16は、左辺に全く響かないし、中央に向けて先んじるわけでもない。また F3 の黒石の動きを完全に封じ込んだわけでもない。よってこのようなトビは、これまで読んだ棋書のいずれにも書かれていないように思う。囲いにくいとされる中央を一所懸命に、しかも小さく囲いに行っている手。

つまりこれは「損をしない」定石を外して打っていることになる。

初心者のうち、三々が怖くて星定石が打てない人が多い(実は小目定石の方が後に膨大な変化があって難しいのだが)。しかし星定石というものが存在し、三々を守らない選択肢があるということは、すなわち初めから三々の守りについていては損をするケースが多いからに他ならない。

この場合も同様に考えることができる。白16を打っている本人は「一子を完全に取り込む手堅い手」と判断しているのかもしれない。しかし、先に書いたように囲み方が小さいし、また思ったほど完全に一子の動きを封じているわけでもない。定石を知らずにすすんで「損」をしている。

この白16の瞬間、黒には大きな「余裕」が生まれ、以後の戦いを有利に進めることができる。そもそも先番で、先に先にと打ち進められる黒にさらに余裕を与える。

ちなみにここから白は黒に「もてあそばれる」状況となり、中押し負けを余儀なくされた。

投稿者 前田博明 : 2004年03月20日 15:16 | トラックバック