今日の講義は「守りの形」。
私の弟子たちはもうミミタコだろうが、私は「石を取る碁」というのが大嫌い。とくに低級者のうちから石を狙っていっても良いことなど何もないと思ってる。初心者がする「トリカケ」など、上級者には通用するわけがないんだし。
それに、経験あるだろうけれど、石を取られていないのに大差の負けを喫したときの方が、相手が強く思えない? 強くなるにはしっかり「カタチ」について、乱暴な石の取り合いなど可能な限り避けるべきだと思ってる。
もちろん。相手がいわゆる「最強の一手」を打ってきて、相手の石を取らないと自分の石が死んでしまうなんてときは別。また、相手が「取ってください」の手を打ってくるときには、遠慮無く取れば良い。そういうときにまで石を取らないのは、すなわち負けに繋がる。
つまり。「無理なトリカケ」や、「相手が気付かなければ取れる」なんて碁を打つべきではないと思ってるということ。
で、今日の講義は、たとえば二目の頭を跳ねられてしまったときにどうやって守るかというような問題。令文先生も高梨先生も「本当は二目の頭を跳ねられる前に守って欲しいんですけどね」と言っている(笑)。
今日の講義後は。しばしば日記に登場するKさん。どうも私は「K」というイニシャルの人を相手にすると、カフカを思い出してしまって相手が偉大に見える(笑)。『城』とか『審判』とか。
ま、そんなことはともかくKさんは本当に強い人。前に私に五子で勝ち、悔しくなった私が(なぜか)六子に石を増やしてリベンジした人。今日の手合は、前回の碁を「打ち込み」とみなして七子局。
途中まで。Kさんはさすがの打ち回しで終始リードを奪う。「あはは、やっぱり七子じゃ勝負にならねーか」と思っていると、令文先生がやってきて「あはは〜。前田さん、これはすっきり負けますね〜。もうヨセですか? 少々寄せたとしても前田さんが十五目くらい負けそうですね〜」と。
私は。大石を取られてもスイッチが入るが、令文先生に笑われてもスイッチが入る(大笑)。で、そこから私は勝負手を放つ。最初の勝負手は相手の味悪な隅。「あ、Kさん、ここは生きてくださいよ〜。ここ取られるとさすがにひっくり返りそうですからね」と令文先生。
そして私の勝負手は撃沈した(笑)。
で、次の勝負手は辺の石のトリカケ。石を取るのは嫌いだと言っているのに実際はこう(爆)。まああくまでも「勝負手」として放っているわけで、凌がれれば投了だ。
と、自分勝手な言い訳で攻め合っているうちに。見事Kさんの辺の石が陥落(^^)。間もなく終局して作ってみると、見事数十目差の逆転勝ちとなった。ねえ、聞いてる?>令文先生。
通りかかった藤田という渾名のF先生に伝えて曰く。「ねぇねぇ。ぼく、頑張ったでしょう〜。大逆転なんですよ(^^)」。「頑張りましたね」という声を期待していた私はあっさり裏切られる。なんとF先生は大いに悲しんだ。「白、つぶれてたはずなんですけどね…」。
あっはっは>F先生。俺が勝ってもいーじゃんか。俺だって(先生のフリはしてるけど)生徒なんだから(^^;。勝負手を放つまでは、わりとまっとうな良い碁を打っていたと自画自賛してたんだけどなあ(苦笑)。
実は今日は。講義の前に、先日九子で惨敗した女性二人との二面打ちもした。対局前に一応伝える。「あのですね。先週は良い碁でしたね。驚きましたよ。で、今日は私の得意な意地悪な手をたくさんうちます。きっと混乱するでしょうけれど、先週の碁を思い出してしっかりと打ってください」。
ま、そんなことは伝えていても、10段階以上棋力が違って、かつとても偉そうな私の陰険な手にうまく対応することなんてできない。お二人はなすすべなく敗れ去ってしまった…。ちょっと反省はしたけれど(^^;、でもいいよね。「あ、ウワテが必死になってきたらこんな風になるのか」ということを知って貰うのもまた勉強になるんじゃないかな。え? 勝手な言い訳だ? う〜ん、私もちょっとそう思います。
投稿者 前田博明 : 2004年03月22日 23:00 | トラックバック