2004年03月31日

美人のKさん −フリー対局−

他の女性には「美人の」とか「綺麗な」という形容詞がついているのに… というクレームをある女性から受けた(笑)。いやいや「とても強い」とか「褒めれば全力で否定する」なんていう形容詞句(?)がついているじゃないですか(笑)>某女性。

とかなんとか言いつつ。いやいや、件の女性も美人なんですよ、ホントに(^^;。でもね。その女性は実は私とちょっと年が近い。年の離れた人を「美人」と呼んでも「事件」(?)はおきないけど、年齢の近い人に「美人だ」とかなんとか言ってると、いろいろまずいことがあるかもしれないじゃないですか(苦笑)。

ははは。以上、この話題終わり。


で、今日。1月クールの最終日を記念して、私は藤田という渾名のF先生と対局。先日伝えておいたんだよね。「今度打ちましょう」と。前に一度打ったことがあるんだけど(半年ほど前かな?)、その時は私の絶不調期。「なんでこんな不調な時期に打たなくちゃいけねーんだよ」とか思いつつぶーたれて打っていたら碁もぶーたれた。

F先生も私も。教室で人が余ってしまったりしていればその人と対戦するし、遅れてきた人がいれば多面打ちもする。そんな二人が打とうとするので、この日は生徒の方々(ってーか、私も生徒だけど)の組み合わせに苦慮する。F先生が一所懸命に組み合わせを考えているうちに、私は喫煙所で気持ちを高めつつ待ち受け(^^)。

このF先生。某強豪大学囲碁部の三将を務めたほどの人。私は彼のことを勝手に「碁会所十二段」くらいじゃなかろうかと想像してる。そんな人と一対一で打てるのは幸運だよね。

「さて、何子置きますか」とF先生。「じゃあ六子で」と言いたかった私ではあるけれど、前回のぶーたれ碁は九子で負けてる。成長を見て貰いつつ、かつF先生に必死になってもらうためには前回と同じ置き石が良かろうと。「九子で」と私。「え、ほんとですか。あはははは」とF先生。

で、嬉しかったこと。F先生、ふだんはとてもにこやかで、たとえ碁を打っているときでも話しかければいろいろ話してくれる。でも今日はなんかすっかり別人モード(^^)。私が最近身につけた「ぼやき」を発しても一切何の反応も見せてくれない(^^;。

「お〜、F先生、なんかすごく真剣に打ってくれてる!」と喜ぶ私。

碁はさすがに私が始終リードする。まあ九子局ならそれが当たり前。前回対局したときから、それなりに経験を重ねた私。九子では黒がよほどひどいことをしないと碁になるはずもないと理解している。そう、私の目標はこの碁を「碁にしないこと」。

でも。さすがにF先生。守る手を打てば瞬間に黒が大所に手を入れることを考え、自らの眼形を危うくしつつも手を緩めない。「そんなに攻めてきてはあとで全滅になりませんか?」と、むしろ私の方が不安になる。まあしかし。それだけ無理をしてきた白にくつろぐ機会を与えれば一気にこの碁は碁になってしまう。こちらもきっちりと急所に打ち続けるしかない。

そういえば。以前学生タイトルを取ったことのある人に井目風鈴だか井目風鈴中四目だかで打って貰ったときもそうだった。仮にAさんとしておくけれど、彼もまた自分の眼形を気にせずに攻めまくってきた。最後に「あれ、僕の石、眼がありませんねえ」なんてことを呟いて投了(笑)。それなりに碁を知っている人と打つ八子局以上では、そうやってオールオアナッシングの作戦で攻めなくちゃいけないのかもしれないな。

で、局面は中盤の終盤。F先生は驚くことに二分くらいの長考をしかけてこちらにプレッシャーを与えたりしつつ打ち続ける。そして「ふ〜、ここ、あなた白を生かしても悪くないんじゃないですか? これ以上戦っては黒も不安でしょう?」という妥協を求めるかのような手を打ってくる。

「九子のハンディがあるしな。そろそろ守りについても悪くないかも」と、私のビビリ癖が顔を出す。「でもここまではなかなか良い碁が打てているのに、ここで緩んで負けては何にもならないぞ」と気合いを入れて読み直す。よく読み直せば、白は「妥協」なんかを求めているんじゃないことに気付く。こちらの不安感に乗じて、一気の逆転を狙っているわけだ。

シタテにとって。部分の戦いを全局に広げられるのは怖くてしょうがない。そしてウワテはこの不安感に乗じてやってくる。「俺は不安だ。しかし俺の読みではつぶれるのは相手の石。その読みが外れているんなら、この碁は負けるべき碁なんだ。だから俺はここで妥協せず、きっちりあなたを潰しますよ」。

自分の棋力を信じて石を置いた直後、はじめてF先生がぼやいた。

これは潰されたのかな

うははははは。

私が白ならここで投了。しかしF先生にはまだ黒の味悪が見えるらしい。「潰された」石を置き去りに転戦してくる。

実はそこも、「終局まで打つのならそこの石も潰しますよ」と狙っていたエリア。ではあるけれど、冷静に考えれば、ここの黒石は捨ててしまって、ヨセて打てば勝利は間違いない。

私の長考。白の石にも弱いところがある。すくなくとも4回くらいは利いてくれるキカシの筋もある。捨てて打つのは簡明だけど、ここを生きれば白で生きている石がほとんどなくなる。

勝負」。心を決めて黒を生きに行く。まあ「よしんばここの黒が潰れても、黒良しの形勢には変わりないんだけど」という保険付きの勝負ではあったけれど。

で、結局。そこの黒は白にうまく打たれて死にが確定。「やっぱ強ぇえんだなあこの人」と改めて感じ入りながらも、黒はそこを味良く先手で切り上げることに方針転換。

あそこのキカシが鋭かったですね」。局後にF先生に言って貰った手筋。潰れた石の近辺にあった味悪を守りつつ、かつ相手のウケを強制してヨセに回る。そのヨセでもF先生が「泣きそう」と言うウケを強要。

局中、何度か気持ちよいキカシを放ち、そして潰された黒もただでは潰されなかった自信を持ち、「俺は強い。俺は強いぞ〜」と心の中で唱えつつのヨセ。

「これで終局です」。ウワテの人が言いそうなセリフまでこちらから言って、あくまで偉そうに終局(笑)。黒が潰れた分、碁にはなってしまったけれど、計算通りの勝利に満足。むしろ「この碁を碁にしてしまう」F先生の強さが心地よい。「こんなどえりゃー強い人に勝つ俺はやっぱり強い」(笑)。

最終的には二十目差程度。黒を捨てて打てば四、五十目差くらいだったかな? もうちょっと開いていたかもしれない。でもそこは自らを試す場所として定義したところだから潰されて尚満足。

「最初から最後まで全く緩みませんでしたね」「キカシには泣きそうになりましたよ」「そこのヨミキリには参りました」。そんなF先生の言葉に大喜びな私。

ウワテ相手の碁が苦手だった私も、高梨先生の指導碁や、千寿会での碁のおかげで、ようやく克服しつつあるように思います。大満足の一局でした。

本当にありがとうございました>F先生。


ずいぶん長くなっちゃったけど。今日は実はもうひとつとても嬉しいことがあった。

時間前に喫煙所で時間を潰していた私に、男性の方が声をかけてくれた。「打って貰えませんか?」と。嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい(笑)!

この教室、女性は私より若い人が多いから、エラソーに師匠面して教えたりしやすい。でも男性は年長者が多い。そんな人に師匠面するわけにもいかないし、また、いつも若い女の子たちとヘラヘラしているようにも見える私に、徹底的な実力差を感じさせられることに気分を悪くしてしまう人もいるんじゃないかと思ってる。だからなかなか男性に向かって「打ちましょうか」の声を発することができない。

私は。本当は「男性が好き」です(笑)。いや、カミングアウトしているわけじゃなくて(笑)。

年若の女性達に指導する都合もあって(?)、「偉そうで」「生意気で」「お調子者で」「へらへらしてる」ような感じを出している部分もあります。でも本当は結構良い奴なんですよ、私(大笑)。

今日のように、男性の方に「打ちませんか」と言って貰えるのをいつもどきどきしながら待っているんです(^^)。

あ、もちろん女性が嫌いって言ってるんじゃないです(爆)。今日、F先生との対局後にも「私、また師匠にチャレンジしたいんですけど」と言ってきた女性がいた。それもまたすっごく嬉しい(^^)。

ふむ。今日は先生にも生徒にも、すごく喜ばせてもらった一日でした。いいところだねえ>ハッピー・マンデー教室(^^)。

投稿者 前田博明 : 2004年03月31日 23:00 | トラックバック